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大容量・高効率50Hz向け「M701F5形ガスタービン」商用化へ

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 三菱重工業は50Hz向けF形ガスタービンの最新鋭機種として、高性能かつ低NOx(窒素酸化物)で高い運用性を実現する「M701F5形ガスタービン」の商用化に着手した。現行のF形最新機種であるM701F4形を、自社の独自技術により改良設計したもの。タービン入口温度をG形で豊富な実績のある1,500℃級とすることで、定格単機出力(ISOベース)約35万kW、排ガス熱発電を組み合わせたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電出力約52万kWを実現、熱効率で世界最高水準の61%以上を目指す。

 M701F5形ガスタービンは、F形の豊富な技術実績をベースに、最新鋭機である1,600℃級J形ガスタービンの最新技術を採用して高性能化を実現したもの。具体的には、圧縮機はF4形の基本構造と空気流量を踏襲しながら、中/後方段を従来翼から最新鋭の三次元設計翼に変更して高効率化を実現。また、燃焼器は1,500℃級GAC形ガスタービンで開発/検証を完了した実績のある空冷燃焼器を採用した。タービン部についてはJ形で開発した先進遮熱コーティング(TBC:Thermal Barrier Coating)技術と最新の冷却技術を適用した。

 F形ガスタービンは国内外で182台の販売実績を誇り、運転時間700万時間、起動回数7万回を超える。また、J形ガスタービンは、2011年2月より実機運転を開始している最新鋭機で、世界最高のタービン入口温度1,600℃を達成して世界最高水準の高効率化を実現した。

 世界的な再生可能エネルギーの導入により、GTCCは高い信頼性や効率に加え機動性に富んだ運転がより重要視されている。M701F5形ガスタービンは、基本的な設計思想は実績のあるF4形を基盤としつつ、J形をはじめとする開発・実証済みの優れた各要素技術を採用することで、早期に高性能かつ高い信頼性を確保した。

 GTCC熱効率61%以上(低位発熱量)は現状世界最高レベル。また、高効率化によりCO2排出量を低減するとともに、高温化に伴うNOxの発生も従来機レベルに抑えて、地球環境の保全に貢献する。

 当社は、ガスタービンの開発設計から製造、実証までを一貫して高砂製作所(兵庫県高砂市)および高砂研究所(同)で手掛けている。また、同製作所の敷地内にあるガスタービン複合サイクル発電プラント実証設備は、大型ガスタービンとその要素技術の実証を行なうなど、新型ガスタービンの商用化や更なる高温効率化技術の開発・検証に大きな役割を果たしてきた。

 当社は今後も、低炭素社会の実現に向け、ガスタービンの一層の高温高効率化を目指して、J形に続くM701F5形ガスタービンの商用化を着実に進めるとともに、更なる高効率ガスタービンの開発も引き続き推進していく。

 

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