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インドネシアの低品位炭を活用した大規模な代替天然ガス合成プロジェクトで

三菱重工業株式会社
三菱商事株式会社
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 三菱重工業(東京都港区、社長:大宮英明)、三菱商事(東京都千代田区、社長:小林健)の両社は、インドネシア政府と、同国に大量に存在する低品位炭を活用して代替天然ガスを合成する大規模なプロジェクトで協力していくことで合意し、フィージビリティ・スタディ(F/S)を開始した。日・インドネシア両国政府の援助を受け、インドネシア政府および民間機関とともに始めたもので、両社はF/Sを2012年3月までに完了させる計画。2017年の代替天然ガス合成プラント商用運転開始を目指す。

 本プロジェクトは、スマトラ島に眠る豊富な低品位炭をガス化して代替天然ガスを製造し、既存パイプラインを通して大消費地であるジャワ島へ輸送しようというもの。具体的には、三菱重工が設計・製作・供給するプラントで代替天然ガスを合成。その際、副生物として大量に発生するCO2は、CO2回収・貯留(CCS)装置により地中深くに貯留する計画。また、従来の方法ではこれ以上の増産が期待できない油田を対象とした石油の増進回収(Enhanced Oil Recovery:EOR)に活用することも検討する。

 今回のF/Sは、日・インドネシア両国政府で検討を進める「2国間オフセット・クレジット制度」のもと、本プロジェクトに伴う温暖化効果ガス削減量を新たな排出枠として日本の削減実績に適用することも検討する見通し。わが国の環境・エネルギー政策にも大きく貢献することが見込まれる。

 インドネシアは順調な経済発展を続ける一方で、原油生産量は減少の傾向にある。そのため、国内に豊富に存在する石炭資源の活用が急がれてきたが、石炭埋蔵量の大半は、含有水分が多く、エネルギー効率の低い低品位炭で、その活用が大きな課題となっていた。

 今回の合意は、そのようなインドネシア政府の問題意識と、石炭の乾燥・酸素吹きガス化から代替天然ガスの生産、CCS、EORまでの一貫した先進技術を保有する三菱重工、同国でのエネルギー開発で豊富な実績を有す三菱商事の思いが一致したもので、今後、プロジェクトの具体化に向けた動きが一挙に進むこととなる見通し。このプロジェクトにはすでに、同国の国営および民間企業が強い関心を表明している。なお、同国での代替天然ガスの合成プロジェクトは今回が初めてとなる。

 

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