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店舗用・ビル用マルチエアコンに新ラインアップ
省エネ法2015年基準値をクリア、機能充実し施工性も向上

発行 第 5117号
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 三菱重工業は、パッケージエアコンの店舗用「セゾン(Hyper Inverter)シリーズ」およびビル用マルチ「ハイパーマルチ(Hyper Multi)シリーズ」に、省エネルギー法2015年基準値※1を全機種でクリアした新モデルを投入し、12月から順次発売する。圧縮機や熱交換器などの改良により、APF(通年エネルギー消費効率)※2は最大6.2※3と大幅に高効率化し、ビル用では6機種で業界トップ※4を達成。併せて、各種の性能改善や機能拡充、施工性向上をはかっている。

 新モデルは室外ユニット能力別に、店舗用「セゾン(Hyper Inverter)シリーズ」が1.5馬力から6馬力まで15機種、ビル用「ハイパーマルチLX4シリーズ」が4馬力から18馬力まで9機種をラインアップ。空調能力は店舗用が6馬力まで、ビル用マルチは室外ユニットの組み合わせにより54馬力までをカバーする。全機種ともグリーン購入法(2011年基準)※5にも適合している。

 高効率化対応として、両シリーズとも集中巻きモーターを搭載した新開発の圧縮機を搭載。モーター巻線での損失を低減し高効率化をはかっている点が特長で、これにより中間性能(定格能力の約半分)領域で大きな省エネ効果を発揮する。

 店舗用は新型DC(直流)ファンモーターの搭載により、低速~中間時の効率が向上。また、熱交換器の能力を増強することで、暖房性能を引き上げた。APFは5.5~6.2※6と、現行機種に比べ0.2~0.9ポイント(3.5~17.3%)向上。1.8馬力タイプは、AFPが5.2から6.1※6へと17.3%向上した。
 室外機の氷点下における使用可能温度については、冷房では全機種で-15DB(乾球)℃(8機種が-5DB℃から-15DB℃に変更)までとし、冬期でも冷房運転を必要とするOAルーム、小規模ホール、地下店舗などのニーズに対応した。暖房では全機種で-15WB(湿球)℃まで拡大(8機種が-10WB℃から-15WB℃に変更)、標準仕様で低外気温時の暖房運転を可能とした。
 また、在来の配管を再利用して機器だけを更新する場合に配慮し、3~6馬力の室外ユニットに洗浄機能を追加した。内蔵したフィルターで配管内の汚れを除去することで施工時間短縮と施工費削減、仕上がり外観の改善をはかった。

 一方のビル用は圧縮機のスクロール形状を見直すことで、圧縮漏れ損失を低減。熱交換器は冷媒分配の改善と伝熱面積の拡大により、熱交換性能が大幅に向上した。APFは4.5~5.5※7と、現行機種に比べ0.2~0.9ポイント(3.7~21.4%)向上。業界トップの6機種は4馬力タイプ(APF5.5)、6馬力タイプ(同5.2)、8馬力タイプ(同5.5)、12馬力タイプ(同5.1)、14馬力タイプ(同4.9)、18馬力タイプ(同4.5)と高スペックを実現した。
 また、新型室内ユニットはエコタッチリモコン対応とし、ウォームアップ設定機能と設定温度自動復帰機能も追加することで操作性の向上をはかった。

店舗用パッケージエアコンの新モデルにおけるその他の特長は、以下の通り。

<高効率化>
 モーター巻線の高ターン化により中間条件での効率が大幅に向上。さらに、従来インバーターから採用しているベクトル制御に新たに過変調制御を加えることで高回転領域での運転を可能としている。
 また、FDT(天井埋込形4方向)等のドレンポンプにはDCモーター化したものを採用することで消費電力の削減をはかっている。

<性能改善・機能追加>
 エコタッチリモコン使用時は、全機種においてエアコンの運転開始から停止までの消費電力量(kWh)をリモコン液晶上でリアルタイムに確認することが可能で、日々の省エネ意識を高めることができる。また、FDTW(天井埋込形2方向)は4分割フリーフロー(ルーバーが中央で2枚に別れ、別方向吹き出しが可能)を追加。窓側、壁側などエリアごとの空調フィーリングの向上、部屋全体の温度ムラを解消することが可能になった。FDTS(天井埋込形1方向)は2分割フリーフローを追加。下がり天井仕様で下吹き出しと前吹き出しの混在を可能にした。
 その他、FDT(天井埋込形4方向)にはドレンパン用スライム抗菌剤を、FDTW(天井埋込形2方向)にはフィルター上に捕集された細菌、ウイルスの増殖を抑制するアイテムとしてバイオクリアフィルターをオプションで用意し、病院、老人保健施設、スーパー銭湯など多くの人が集まる場所への採用を見込んでいる。

<施工性向上>
 1.5~2.3馬力タイプの8機種は、室外ユニットの配管長制限を40mから50mに拡大。全室内ユニットにドレンポンプ試運転用電池ボックスをオプション追加することで、電源が来ていない現場等での施工性を向上した。

 

ビル用マルチエアコンの新モデルにおけるその他の特長は、以下の通り。

<高効率化>
 8馬力以上の室外ユニットに搭載される圧縮機の吐出経路を見直すことで中間性能領域での効率向上をはかった。

<性能改善・機能追加および施工性向上>
 室外ユニットは3台(現行2台)の組み合わせが可能となり、最大54馬力(同48馬力)までカバー。設計の自由度が広がった。また、10馬力以上の上吹き室外ユニットでは、配管総延長を510mから1,000m※8とし、施工性を大幅に高めている。

 当社は、これら新モデル投入により、さらなる事業拡大を推し進めるとともに、人々の暮らしの質の向上に取り組んでいく。


【FDCP5044HLX ビル用18馬力室外ユニット】

【FDTVP404 店舗用1.5馬力室内ユニット】

※1:省エネルギー法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)における2015年基準値では、
   能力・設備ユニットの形態別に家庭用エアコンで9区分、業務用エアコンで16区分の目標値
   が決まっている。
※2:APFはAnnual Performance Factorの略で、年間を通じて冷房、暖房を行うために必要な能力
   の総和を、各冷暖房機器が消費するエネルギー消費量で割った性能評価指数。
   値が大きいほど省エネ性が高い。省エネ法基準値およびグリーン購入法調達基準とも、
   エアコンの評価基準は2010年4月からAPFに統一された。
※3:天井埋込カセット形1.5馬力相当。
※4:当社調べ。2011年9月30日現在におけるビル用マルチエアコン4~18馬力相当のAPF値において。
※5:グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)の2011年基準値は、
   省エネ法2015年基準値の88%となっている。
※6:天井埋込カセット形(Hyper Inverter)室内機接続時において。
※7:天井埋込カセット形室内機接続時において。
※8:従来機の14~20馬力は1,000m。

 

 


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