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バラスト水処理装置の設置改造に一括対応
専任チームを新設

発行 第 5049号
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 三菱重工業は4月1日、就航船舶に対するバラスト水処理装置の設置改造に一括対応できる体制を整える。船舶改修を担当する船舶・海洋事業本部 横浜工場(横浜市中区)内に、設計、エンジニアリングから設置工事までカバーする専任チームを新設するもの。バラスト水管理条約※の全面規制が始まる2017年を見据え、顧客密着型のスピーディーな対応を行えるようにするのが狙い。新造船と改修の両方を手掛ける当社のノウハウを活かして、就航船舶に対するサービスの拡大につなげていく。

 新設する「バラスト水処理装置プロジェクトチーム」(TEL:045-629-1314)は、6人で発足する。営業、装置システム・配置・配管の設計技術者、工作の専門家を配置。今後必要に応じて陣容の拡充も検討する。自社建造船以外のケースについても、処理装置・関連機器の選定や、設置工事および関連する改造工事エンジニアリングなどに関して、船主の意向に基づき万全に対応していく。

 就航船舶に対するバラスト水処理装置の設置には現在、機種選定からその調達、設計、改造工事の終了まで、およそ1年間を要する。このため、大手海運会社などを中心に保有船の定期的メンテナンスのタイミングに合わせて処理装置の設置工事を進めていきたいというニーズも大きく、すでに受注に結びついた案件もあり、現時点でも数件の問い合わせに対応している。

 バラスト水管理条約は、船舶のバランスを保つため船のバラストタンクに採り入れる海水(バラスト水)を排出前に浄化するバラスト水処理装置の設置を、新造船と就航済船に義務づける国際条約。発効はまだだが、規制対象となる船舶が多い。加えて、造船会社の中には新造船に特化し、自社建造船に対するバラスト水処理装置の設置改造にも対応しない方針を表明する企業も出ており、同規制への対応が造船・海運業界の大きな課題となっている。

 当社は長崎、神戸、下関の3造船所で新造船および修繕・改造船を、横浜工場では修繕・改造船を専門に手掛けている。本専任チームの活動を通じて、バラスト水処理装置の設置に関わる多様な経験を一元的に蓄積。これまで送り出した船舶に対するアフターサービスのレベルを高めながら、改修事業の拡大にも積極的に取り組んでいく。

※ 正式名称は「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約」で、2004年2月のIMO(国際海事機関)本会議で採択された。就航船舶については、2016年の就航日(船級証書の期限)以降の最初の定期検査または中間検査までに、バラスト水処理装置の設置を義務付けている。

 


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