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カタールの石油化学会社から初の大規模メタノール増産用CO2回収プラントを受注

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 三菱重工業は、カタールの大手石油化学会社であるカタール燃油添加剤会社(Qatar Fuel Additives Co., Ltd.:QAFAC)から、メタノール増産用の大規模CO2回収プラントを受注した。CO2回収能力は世界最大級の500トン/日で、メタノール増産用の排ガスCO2回収プラントの当社受注は今回が初めて。プラントの完成は2014年10月の予定。

 今回のCO2回収プラントは、シンガポールに本社を置く当社のエンジニアリング事業会社、MHIインダストリアル・エンジニアリング・アンド・サービス(MHI Industrial Engineering & Services Private Ltd.:MIES、社長:伊藤 和逸)を通して受注した。取扱商社は三菱商事。

 CO2回収プラントは、カタールの首都ドーハ近郊にあるメタノール製造工場において、製造の工程で放出される燃焼排ガスから特殊な吸収液(KS-1™)を用いてCO2を分離・回収し、回収したCO2を原料としてメタノールの増産をはかるもの。
 当社はQAFACに対し、CO2回収技術をライセンス供与し、MIESがCO2回収プラント建設のEPC(設計・調達・建設)を請け負う。

 CO2回収プラントに関し、当社がライセンス供与だけでなく、EPC契約も同時に受注するのは今回が3件目。海外からの同時受注は、1999年に納入したマレーシア向け商用初号機以来となる。

 QAFACは、1990年に設立された石油化学会社。ドーハに本社を構え、メタノールやMTBE(メチル・ターシャリー・ブチルエーテル)の生産を手掛ける。

 MIESは2010年10月の設立。環境・化学プラント事業のエンジニアリング、営業・サービスなどを手掛ける。今回の案件は同社にとって初の本格的EPC受注となる。

 当社のCO2回収技術は、関西電力株式会社と共同開発した高性能な吸収液KS-1を用いるKM CDR Process®と呼ばれるプロセスで、他の方式に比べエネルギー消費量が大幅に少ないのが特徴。この優れたパフォーマンスが高く評価され、国内外向けにすでに商用プラント9基を納入、1基を建設中で、業界トップクラスの実績を誇っている。

 CO2回収技術は、尿素やメタノールのほか、ディメチルエーテル(DME)などの化学用途、さらには、火力発電所などから発生するCO2の回収・貯留(CCS)や、生産性が低下した油層にCO2を圧入して生産増加をはかる原油増進回収(EOR)などに利用が可能。
 当社は今後も、今回のような化学的利用分野はもちろん、CCSやEORの分野に対しても積極的にアプローチしていく。


【CO2回収プロセス】

 

 

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