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中国の天然ガス分散型電源事業を共同推進
華電集団華電電科院と覚書(MOU)を締結

発行 第 5232号
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 三菱重工業は、中国華電集団公司華電電力科学研究院(華電電科院)と中国で天然ガスを利用した分散型電源事業を共同で推進することで合意、覚書(MOU)を締結した。高効率で環境負荷を抑えたガスエンジンコージェネレーション(コージェネ:熱電併給)システムを普及させるのが狙い。当社は技術開発、華電電科院は事業モデルの実証とその具体化を中心にそれぞれの役割を担っていく。

 MOUには、当社の中国におけるエンジン事業の現地法人、菱重発動機系統(深圳)有限公司(菱重発動機)も加わった。協業は、進展状況に応じて1年ごとに見直す方針で、内容充実をはかる。
 当社と菱重発動機は、先進的なガスエンジンコージェネシステムによる分散型電源システムを提供。併せて、同システムの運用・保守に関する技術コンサルティングに取り組む。また、華電電科院は、ガスエンジンコージェネシステムによる分散型電源システムの実証モデル設備を具体化するとともに、中国における分散型電源事業の系統連携方式や優遇政策などについて研究・検討する。

 具体的には、中国で適切なプロジェクトを選び、分散型電源システムに関する事業化調査に着手。推進にあたっては、分散型電源事業の事業化および投資を手掛ける華電新能源発展有限公司(華電新能源)と、技術・研究を担当する華電電科院とともに、北京、杭州その他の地域を対象に、スマートコミュニティづくりの実証も目指す。当社は、このほど独自技術で製品化したコンテナ型のガスエンジンコージェネシステム「MEGANINJA(メガニンジャ)」などで、華電新能源と華電電科院をサポートする。メガニンジャは現地到着後24時間以内に発電開始が可能で、コージェネシステム対応も容易。

 中国華電集団公司(華電集団)は、中国の5大発電会社の一つで、2003年から分散型電源の研究開発を進めている。2011年に国家能源局が華電集団に国家エネルギー分散型エネルギー技術研究開発(実験)センターの設立を許可し、華電電科院が実際の設立実務を担当。中国は、2011年の天然ガス焚き発電設備容量が3,265万kW(全体の3.1%)にとどまっているが、華電集団の天然ガス焚き発電量は、国内トップの473万kWに達する。
 中国では、2011年からの第12次5ヵ年計画期間に、天然ガスを利用した分散型電源システム関連プロジェクトを1,000ヵ所で具体化する方針で、国家発展改革委員会は、2020年までに5,000万kWの天然ガスによる分散型電源システム導入計画を発表。高効率なガスエンジンコージェネシステムに対する大きな需要が見込まれる。

 当社はこのほど、上海市節能協会、三菱商事との共催により「中日分布式供能国際フォーラム」を上海で開催。分散型電源システム(ガスエンジンコージェネ)の経済性を示す日本での導入事例のほか、上海柴油机股份有限公司(上海ディーゼル)とのエンジン合弁事業によるコスト競争力強化、上海ディーゼル向けに計画中のガスエンジンコージェネ実証プラント、菱重発動機へのガス分散型電源エンジニアリングセンター設置による現地エンジニアリング体制の強化など、上海を中心とした中国事業展開計画を紹介した。
 当社と華電電科院は、今後もセミナーやフォーラムの開催など啓発活動に活発に取り組み、協業進展に力を注ぐ。

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