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三菱重工業は、4月に買収した米国フェデラル・ブローチ社(Federal Broach Holdings, LLC)との連携により、世界市場に対する工作機械・切削工具の提案型営業を強化する。自動車・航空機製造業関連などの企業に、当社の各種工作機械・工具およびフェデラル・ブローチ社のブローチ工具※1を組み合わせた最適な加工システムなどを提供することで、生産効率や加工精度の向上に対する需要の開拓を狙うもの。その一環として、シカゴ(イリノイ州)で10~15日に開かれる「IMTS 2012」(国際製造技術展:シカゴショー)に出展。幅広いニーズに対する高いソリューション能力をアピールする。
事業統合による相乗効果を追求していくうえで、両社はそれぞれの拠点をベースとした世界市場の早期掘り起こしを目指している。フェデラル・ブローチ社の各種ブローチ工具およびブローチ盤を導入している自動車関連メーカー、ジェットエンジン・各種タービンメーカーや、当社が強みとするアジア市場の自動車・建設機械・産業機械関連ユーザーを主要ターゲットとして、歯車工作機械をはじめとする両社の各種工作機械と切削工具、および最適な加工技術の選択に関するノウハウなどを提案する。
これにより加工プロセスの選択幅が広がり、量産対応力や加工精度の向上、コスト低減など様々な課題の解決が期待できる。また、両社の生産技術・生産管理を統一することによる納期短縮や、拠点を活用したきめ細かいサービス・サポートも実現する。
IMTS 2012では、両社共同で精密歯車その他を高速で加工できるシステムなどを提案するほか、当社は、門形5面加工機「MVR30」、歯車工作機械ではギヤシェーパ「SE25A」、汎用型歯車研削盤「ZE40A」を出展する。このうち、MVR30は高精度と高速性能により、自動車用金型や各種大物機械部品の加工用を中心に多数の納入実績を持つ。また、ZE40Aは創成研削と成形研削※2の両方に対応し、多種多様なワークの加工が可能な点が特長。
フェデラル・ブローチ社からは、自動車のオートマチック変速機構に多く使われるヘリカルギヤ(はす歯歯車)の内歯を加工するヘリカルブローチや、ジェットエンジンや発電用タービンのブレード取り付け溝を加工するクリスマスブローチその他を出展する。
IMTSは、欧州のEMO(欧州国際工作機械展)、日本のJIMTOF(日本国際工作機械見本市)と並び“世界三大工作機械見本市”と位置づけられる有力工作機械展で、隔年開催されている。米国を中心に世界中から工作機械のメーカーとユーザーが集まり、商談も活発に行われることから、新しい提案の広まりに期待するとともに、会期中の受注も見込んでいる。
当社は工作機械と切削工具の両方を手掛ける数少ないメーカーであり、これまでもその強みを活かして、世界で初めてとなる「ドライカット歯車加工システム」などを開発してきた。
今後、工作機械・切削工具売り上げのうちアジアが95%以上を占める当社と、米欧が約80%を占め、製品および市場の補完性が極めて高いフェデラル・ブローチ社との連携を強化し、顧客の要望に応えていく。
※1 長い棒状の切削工具で、これをブローチ盤に取り付けて“引き抜き”加工を行うことにより、複雑な形状の穴や外面を高い精度に仕上げることができる。
※2 創成研削がネジ状砥石により砥石とワークの歯形・歯筋方向の相対同期運動で歯面を作り出すのに対して、成形研削は歯形形状を持つ円盤砥石で
歯筋方向に砥石を移動させ歯面を作り出す。
【各種ブローチ】
【汎用型歯車研削盤ZE40A】
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