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日本郵船向け次世代型自動車運搬船2隻を今治造船と共同で受注

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 三菱重工業は、今治造船株式会社(愛媛県今治市)と共同で、日本郵船株式会社向けに次世代型自動車運搬船を2隻受注し、近く正式契約する。「三菱空気潤滑システム(MALS:Mitsubishi Air Lubrication System)」をはじめとする当社開発の各種環境負荷低減機器を搭載するなど、先進的な船舶技術を盛り込んだ設計情報を提供し、今治造船が高いコスト競争力を発揮して建造するもの。Over Panamax船型※を採用して大型化し、最新の省エネ技術を搭載することで、従来船型に比べ搭載車両1台当たり約30%の燃費改善を見込む。完成は2015年の予定。

【日本郵船向け自動車運搬船】
 この自動車運搬船は全長200m、幅35m、深さ38m、積載自動車台数約7,000台で、2014年秋に予定されているパナマ運河の拡張完了を見越した船型を採用する。
 省エネ技術では、泡の力で船底と水の抵抗を低減させる独自技術のMALSや三菱UE型電子制御式主機関のほか、発電機内蔵の主機関過給機で排熱を高効率利用し航海中の必要電力を賄うハイブリッド過給機(MET過給機)を搭載。また、船首部で前方からの風による抵抗を軽減する「三菱ウインドスクリーン」、主機関の出力に応じて燃料の消費を抑え最適運転するインバーター制御の冷却海水ポンプ(MESHIP:Mitsubishi Energy Saving Hybrid Inverter Pump)なども装備する。

 今治造船は、当社が提供する設計コンセプトと省エネ関連技術に基づき、基本設計から建造に取り組む。当社からは主機関、プロペラ、MALSなど主要機器を納入する。

 当社は本年5月、今治造船とコンテナ船に関する技術提携協定を締結。当社の設計力と、今治造船の建造能力およびコスト競争力を効率的に活用しながら、高付加価値コンテナ船事業を強化・拡大していく体制を敷いている。また、7月には同社に甲板機械の製造・販売権を供与するライセンス契約も締結。両社は協調的関係にある。
 当社は、船舶・海洋事業の成長戦略として客船や次世代型LNG船など高付加価値製品への特化に取り組む一方、保有関連技術を国内外へ供与するエンジニアリング事業の強化を進めている。また、今治造船は、省エネ性能をはじめ先進的な船舶関連技術の拡充を目指している。今回の共同受注は、両社の思いが一致したことで実現したもの。

 当社は、次世代型自動車運搬船の設計コンセプトが採用されたことを弾みとして、エンジニアリング事業のさらなる伸張に向け積極的な提案営業を展開していく。

※ Over Panamax船型は、現在のパナマ運河を通過できる最大船型(Panamax:長さ294m、幅32.3m、喫水12.0m)を超える船型。
   パナマ運河の拡張工事が完了すると、通過できる最大船型(New Panamax)の主寸法は、長さ366m、幅49m、喫水15.2mとなる。

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