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世界最高効率J形シリーズの新型機「M501JAC形ガスタービン」 商用化へ
起動時間を短縮化するなど運用性に優れる

発行 第 5293号
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 三菱重工業は、最新鋭J形ガスタービンの新型機「M501JAC形ガスタービン」を開発、市場投入する。燃焼器の冷却方式をこれまでの蒸気冷却式から空気冷却式に変更したもので、M501J形ガスタービンと同レベルの性能を保ちながら、起動時間を短縮するなど高い運用性を実現したのが特徴。これにより、世界最高効率を誇るJ形シリーズのラインアップを広げて、大容量・高効率ガスタービン市場をリードする。

 M501JAC(J Air Cooled)形ガスタービンは、当社が2009年に独自技術により開発した世界トップクラスの大容量・高効率機であるM501J形ガスタービンに、空気冷却式燃焼器を採用した機種で、ガスタービン定格単機出力約31万kWを実現。また、排熱回収ボイラーおよび蒸気タービンを組み合せたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電では出力約45万kW、発電端熱効率は世界最高水準の61%超(低位発熱量)を目指す。

 M501JAC形ガスタービンの開発は、当社高砂製作所(兵庫県高砂市)の実証設備複合サイクル発電所で実施しているM501J形ガスタービンの長期実証運転が、起動回数100回、運転時間8,000時間を突破して、その高い信頼性が実証されたことを受け行われた。初号機出荷は2015年からの予定。G形シリーズの際も同様のステップを踏んで空冷燃焼器採用のGAC形の開発・投入が実施され、商業運転を開始している。

 J形シリーズの先陣を切って市場投入した60Hz機であるM501J形ガスタービンは、投入以来2年余にしてすでに国内外から累計16基を受注、その後も多数の引き合いが続いている。また、50Hz機であるM701 J形ガスタービンもすでに2基の受注が決定している。そして今回、この大容量・高効率シリーズに空冷式のM501JAC形ガスタービンが加わったことで、グローバルな発電設備市場の様々な先進ニーズにさらに的確に対応する。

 GTCCは、化石燃料を使用した最もクリーンかつ高効率な発電設備。ガスタービンでの発電に加え、その高温排ガスを利用して蒸気タービンでも発電ができるのが特徴だが、この中核機器であるガスタービンにJ形シリーズを用いることにより、従来型石炭焚き火力発電と比べCO2排出量を約50%低減することができる。

 当社は今後も、化石燃料の高効率利用と環境負荷低減を実現するJ形ガスタービンの受注活動を一層積極的に展開していく。
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