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ボーイング787型機向け複合材主翼100号機目を出荷
更なる生産レートアップへの対応を推進

発行 第 5298号
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 三菱重工業は19日、米国ボーイング社の最新鋭中型ジェット旅客機787型機向けに100号機目となる複合材主翼を名古屋航空宇宙システム製作所大江工場(愛知県名古屋市港区)から出荷した。2007年5月の初号機出荷から約5年半かけての大台達成で、記念の複合材主翼は、同工場に隣接する東名古屋港埠頭から船で中部国際空港に運ばれてのち、専用貨物機(ドリームリフター)でボーイング社チャールストン工場(サウスカロライナ州ノースチャールストン市)へ輸送されることとなる。

 大江工場ではこれを記念して18日、出荷式を行った。式典には、ボーイング サウスカロライナ担当バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャーのジャック ジョーンズ氏や、ボーイング ジャパン社長のジョージ マフェオ氏はじめ多数が列席、また、当社からは鯨井洋一取締役常務執行役員が出席した。

 複合材主翼は、旅客機では787型機が初めて採用したもの。炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製で、従来のアルミ合金やチタン合金に比べ強度・剛性および耐蝕性に優れる。また、最新の空気力学に基づく機体形状の効果とも相まって大幅な軽量化と従来機比約20%の燃費向上を達成、最高レベルの環境パフォーマンスを実現した。

 このような数々の優れた特徴を持つ787型機の需要は順調に拡大を続けており、当社も複合材主翼の増産を求められている。そのため、複合材を硬化するために2006年から稼働している世界最大級のオートクレーブ(複合材硬化炉)1号機に加え同型の2号機を2011年に導入、また、一層の生産性向上のための自動孔明機などを採用するなどして、生産のレートアップに努めている。

 当社は今回の複合材主翼100号機出荷を弾みとして、更なる生産性向上に取り組むとともに、大型複合材主翼の設計・製造で比類ない技術を確立して、航空宇宙分野の新たな機体開発などに役立てていく。
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