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国内経済は、デフレからの脱却が進まず、円高による輸出産業の不振もあり依然として低迷。加えて、近隣国との外交諸問題やエネルギー問題などもあって、強い逆風が吹いています。しかし、世界経済は、欧州の債務危機問題や米国景気の回復遅れなどはあるものの、東南アジア経済の発展などにより、全体としては低レベルながら成長が続いています。このような事業環境のもと、当社グループは総力を結集し、昨年策定した「2012事業計画(12事計)」の達成を目指す必要があります。当社グループの将来のあるべき姿を示す事業計画であり、実行プロセス2年目となる今年は、その達成に向けて成果が問われる重要な年となります。そのため、次の3点をお願いします。
1.事業本部の集約・再編(ドメイン制導入)による強みとシナジーの発揮
2010事業計画では「全社事業運営体制の強化」として、事業の責任の所在をより明確にするなど、機動力ある組織を目指した改革を行ってきました。また昨年にはSBUの考え方を導入し、事業戦略決定単位として事業を64のユニットに区分しました。この成果を活かし、引き続き、シナジーを大きく発揮できるよう事業本部を大きな括りに集約・再編することを検討していきます。具体的には、SBUを製品事業特性や適用技術・品質管理の類似性などから「エネルギー・環境」「機械・設備システム」「交通・輸送」「防衛・宇宙」の4つのドメインに集約・再編します。これにより、人・モノ・カネの経営リソースを、従来の枠を超え効率的に活用することを可能にし、それぞれのドメインの中で各事業が強みを生かすと同時に、シナジー効果によりグローバル競争力強化を実現していきます。
一方、コーポレート部門は、事業部門の改革に劣らぬ高度化・効率化を推進するとともに、営業・サービス部門への人材投入を進め、事業支援の強化をはかっていきます。
従来の組織の枠組みを変える大改革となりますが、これにより、総合力の一層の発揮を可能とし、世界の競合他社に伍して「規模」「収益力」ともに成長することを目指します。
2.グローバル展開の加速
当社グループは「俊敏で強靭なグローバルプレーヤー」となることを目指し、これまで改革を進めてきました。その一層の推進には、グローバル展開の加速が急務ですが、そこでの競争は熾烈です。その競争に勝ち抜き、グローバルトップのリーディングカンパニーとなるために、昨年11月、主力事業である火力発電システム分野について日立製作所との事業統合を決断しました。また、成長市場であるアジア・パシフィックに総代表を配置し、北米に金融子会社を設立するなど、数多くの必要な仕組み作りを行ってきました。
今年は、事業部門では、製品の開発・供給からサービス・運営までをにらんだ、付加価値を高めるための新たなビジネスモデルの構築やグローバルなシェアードファクトリーの展開などを、従来以上のスピードで推進してもらいたいと思います。また、コーポレート部門では、各事業のグローバル展開に資する支援業務の共通化・効率化や高度なビジネスインフラの提供に全力で取り組んでください。
3.更なる安全性・信頼性の向上
昨年、設計や製造品質に起因するトラブルが発生し、関係者に多大なご迷惑を掛ける出来事がありましたが、製品にかかる安全性・信頼性は、技術の根幹です。これを損なうことがあってはなりません。そこで、設計・工作・品証・研究所などのあらゆる部門において、今、成すべき技術的な検証とは何か、次に開発すべき技術は何かなど、原点に立ち返って、技術力の更なる向上のための『技術回帰』を心掛け、安全性・信頼性の確立に努めてもらいたいと思います。今年は、わが国初の純国産ジェット機であるMRJ初号機の製作が山場を迎え、世界の注目が集まる年でもあります。そうした心掛けが、製作・据付・運転などの重大災害の防止につながることも肝に銘じ、しっかりと取り組んでください。
これまで進めてきたさまざまな改革に大きな手応えを感じており、今年も、更なる高みを目指して改革に取り組んでいきます。全員が一丸となって、明日の新しい三菱重工グループを作り上げていきましょう。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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