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「Best Innovation 2012」に17件を選定

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 三菱重工業は、現地での素早い稼働が可能なコンテナ型ガスエンジン発電設備「MEGANINJA(メガニンジャ)」や、放射性物質の分布を広い視野角で高精度に画像化できる「放射性物質見える化カメラ」など17件を「Best Innovation(ベストイノベーション)2012」に選定しました。

 「Best Innovation」は、当社の創造的な新製品、新技術、新事業を対象とした社内表彰制度で、「新製品賞」、「新業務プロセス賞」、「特別賞/新技術賞」、「特別賞/イメージアップ賞」などからなっています。今回は、社内の各部署およびグループ会社から応募のあった33件の中から、新規性、技術の高度性、イメージアップ度などを評価し、審査・選定しました。

 その結果、当社の高い技術力を示した新製品賞には、ターボ冷凍機を使った新型のガスタービン吸気冷却装置など4件が、生産性や業務効率の向上に寄与する取り組みを対象とした新業務プロセス賞には、世界的なブローチメーカーである米国Federal Broach社とのベストミックス効果による戦略的事業規模の拡大など4件が選ばれました。また、世界初の革新的な技術が表彰対象となる特別賞/新技術賞には、大深度有人潜水探査船「しんかい6500」の運動を最適に自動制御する技術の開発など4件が選定され、昨年5月に開業した世界一高い自立式電波塔「東京スカイツリー®」の頂部でアンテナなどを支える塔を風から守る制振装置のメディアミックス効果などの5件には、当社の技術アピールや企業イメージ向上に大きく貢献したとして特別賞/イメージアップ賞が与えられました。

 今回の受賞案件は次の通りです。

【新製品賞】
・ターボ冷凍機使用-ガスタービン吸気冷却装置
・12式魚雷
・コンテナ型ガスエンジン発電設備「MEGANINJA」
・内歯車研削盤 ZI20A

【新業務プロセス賞】
・グローバル生産活動のための生産進捗状況リアルタイム見える化システム
・米国Federal Broach社とのベストミックス効果による戦略的事業規模の拡大
・携帯端末活用によるプラント現地点検業務の効率化
・建設工程計画業務への現地工程シミュレーション適用による建設コスト改善

【特別賞/新技術賞】
・耐放射線コンピューター・システム・チップ「SOI-SOC」
・発電用ガスタービン向け低NOx燃焼器を実現可能とした先進解析・実験技術
・しんかい6500運動制御システムの高性能化
・津波波力シミュレーション技術の開発

【特別賞/イメージアップ賞】
・商船三井向け自動車運搬船「EMERALD ACE」
・東京スカイツリー用制振装置などの当社初のメディアミックス効果
・コメ袋専用放射線検査装置
・放射性物質見える化カメラ
・米国サザンカンパニーとの石炭焚き火力排ガスからのCO2回収共同実証試験

 受賞案件の概要は次の通りです。( )内は担当部門。

【新製品賞】
◇ターボ冷凍機使用-ガスタービン吸気冷却装置
(原動機事業本部/冷熱事業本部 大型冷凍機部)
 ガスタービンが吸い込む空気を冷却することにより流量を増やして発電出力を高める吸気冷却装置に、当社の高性能ターボ冷凍機を活用し、統合設計とすることで高いプラント性能を実現。当社ガスタービンの全機種に適用できる新製品として、今後のガスタービン商談に大きく寄与することとなった。
◇12式魚雷
(航空宇宙事業本部)
 護衛艦および対潜哨戒機などに搭載される最新鋭の対潜水艦用魚雷で、複合センサーシステムなどの新たな誘導制御装置を搭載することで、浅海域から深海域まで幅広い行動力を発揮する高性能潜水艦に対応できる。
◇コンテナ型ガスエンジン発電設備「MEGANINJA」
(汎用機・特車事業本部)
 “素早く移動・素早く設置・素早く発電”を製品コンセプトに、機材一式を収容したコンテナ型を採用し、配線や燃料配管の接続にはコネクター方式を採用することで「現地到着後24時間以内の発電開始」を実現。また、コージェネレーション(熱電併給)システムとして74.6%という高い総合効率を達成した。
  
◇内歯車研削盤 ZI20A
(工作機械事業本部)
 樽型と鼓型の独自形状を持つねじ状砥石2種類を使い分けることにより、内歯車と外歯車を1台で高速・高精度に低コストで仕上げ加工できる世界初の歯車研削盤。段付き・軸付きなど多種・多様な歯車の量産を可能にした。
 

【新業務プロセス賞】
◇グローバル生産活動のための生産進捗状況リアルタイム見える化システム
(機械・鉄構事業本部/三菱重工マシナリーテクノロジー株式会社/三菱重工(常熟)機械有限公司)
 海外生産拠点でのタイヤ加硫機の生産進捗状況を、日本にいながらリアルタイムで把握(見える化)可能に。詳細な作業分析に基づき、次の改善行動を即座に展開できる高速PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを実現した。
◇米国Federal Broach社とのベストミックス効果による戦略的事業規模の拡大
(工作機械事業本部/企画部)
 米国第2位のブローチメーカーFederal Broach社の買収を短期間で実現。戦略的なリソース配分、自前主義脱却による事業規模拡大、関連SBU(戦略事業単位)拡大などに大きく寄与した。
◇携帯端末活用によるプラント現地点検業務の効率化
(長崎研究所/広島研究所/原動機事業本部)
 プラントアフターサービス工事獲得のカギとなる設計者点検業務のボトルネックを解消するため、携帯端末を活用した設計者点検効率化手法を開発した。
◇建設工程計画業務への現地工程シミュレーション適用による建設コスト改善
(横浜研究所/イノベーション推進部/高砂研究所/広島研究所/エンジニアリング本部)
 複雑な建設工程を短時間でシミュレーションして最適化できる手法を取り入れ、EPC(設計・調達・建設)業務のうち建設業務の引き合い・計画および現地工事におけるコスト低減をはかった。

【特別賞/新技術賞】
◇耐放射線コンピューター・システム・チップ「SOI-SOC」
(航空宇宙事業本部)
 高い耐環境性(耐放射線、耐高温)と、小型・低消費電力・低コストとを合わせ持つ大規模集積回路の開発技術を、SOI技術(シリコン結晶薄膜上にトランジスタを作成する技術)とSOC化技術(一つの半導体チップ上に一連の機能を果たす集積回路を設計する手法)の融合で実現。同技術でコンピューターシステムチップ(SOI-SOC)を製品化し、次期X線観測衛星などの開発に貢献した。
  
◇発電用ガスタービン向け低NOx燃焼器を実現可能とした先進解析・実験技術
(高砂研究所/原動機事業本部)
 NOx(窒素酸化物)低減と安定燃焼を両立させる燃焼器を開発するため、大規模流動・燃焼・音響解析技術と光学計測技術を用いて、NOx生成と燃焼振動メカニズムの解明を推進。この知見をJ形ガスタービンの燃焼器の設計に反映させ、目的とする低NOx燃焼を実現した。
◇しんかい6500運動制御システムの高性能化
(名古屋研究所/先進技術研究センター/船舶・海洋事業本部)
 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用するしんかい6500の運動性能向上と手動操縦の負担軽減を目的として、運動特性の変化をリアルタイムに予測して6基の推進器を最適に自動制御する技術を開発。水平移動や素早い回転、複雑な地形に沿った滑らかな動きが可能となった。
◇津波波力シミュレーション技術の開発
(長崎研究所/原動機事業本部/原子力事業本部)
 従来の2次元予測手法では困難だった津波衝突時の波力計算を可能にする技術を開発。2011年3月11日に発生した大津波現象を再現でき、沿岸近傍の構造物に作用する津波波力の評価および津波対策効果の確認に有効性を発揮すると同時に、解析による評価期間も6ヵ月間から約1ヵ月間に大幅短縮した。
  

【特別賞/イメージアップ賞】
◇商船三井向け自動車運搬船「EMERALD ACE」
(船舶・海洋事業本部)
 太陽光発電設備とリチウムイオン二次電池を組み合わせることで“停泊中ゼロエミッション”を実現したハイブリッド電力供給システムを搭載しており、“エコシップ”として多数のメディアが紹介。また、神戸造船所が建造した最後の商船としても広く報道された。
◇東京スカイツリー用制振装置などの当社初のメディアミックス効果
(三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社/広報部)
 世界的にも注目される建築構造物である東京スカイツリーに当社グループ会社の制振装置が採用されている記事が多数掲載されたほか、CMとしても放映され、製品だけでなく三菱重工グループに対する人々の認知度アップにつながった。
◇コメ袋専用放射線検査装置
(機械・鉄構事業本部/三菱重工メカトロシステムズ株式会社)
ハード面での震災復興貢献以外にも、当社の放射線計測技術の活用により日本の食文化の根幹である「コメ」の安全安心にも大きく寄与していることを、一連の報道で広く知らせることができた。
◇放射性物質見える化カメラ
(航空宇宙事業本部/先進技術研究センター/長崎研究所/高砂研究所/名古屋研究所)
 宇宙観測用衛星(ASTRO-H衛星)に搭載する最先端のガンマ線センサー技術を活用して開発した、放射性物質の分布状況、線種を可視化することができる装置。原子力発電所の事故に伴う除染作業への貢献が期待され、広くメディアに取り上げられた。
  
◇米国サザンカンパニーとの石炭焚き火力排ガスからのCO2回収共同実証試験
(エンジニアリング本部/広島研究所)
 世界で初めてとなる石炭焚き火力発電所排ガスからのCO2回収・輸送・貯留一貫の実証試験を当社が中核となって実施していることが米国および日本で広く報道され、当社技術がエネルギー・環境分野の最先端の一翼を担っていることが世界に広まった。
  

担当窓口:企画部


Tags: 経営,アジア,コーポレート
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