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ブラジル向け取替用原子炉容器上蓋(RVH)の取替工事を完了

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 三菱重工業は、ブラジル中央電力公社傘下のエレトロニュークリア社(Eletrobras Termonuclear S.A. Eletronuclear)が所有するアングラ(Angra)原子力発電所1号機(PWR)に供給した取替用原子炉容器上蓋(RVH: Reactor Vessel Head)の取替工事をこのほど完了しました。当社が海外で大型原子力設備の現地据付を含む取替工事を請け負ったのは今回が初めてです。

 今回の取替工事の対象となったのは、当社が2010年4月に納入した取替用RVHおよび2012年8月に納入した制御棒駆動装置(CRDM: Control Rod Drive Mechanism)です。原子炉容器の上部にあたる大型設備で、工事は、旧設備を解体して取り外し、新たに取替用RVHとCRDMを格納容器内に搬入して組み立て設置するものです。

 この取替工事では、全体の取りまとめを当社が担当し、旧設備の解体とCRDMのRVHへの溶接、原子炉容器への設置などを米国のWSI社(Aquilex WSI)が、保温材の製作や取付けなどを米国のトランスコ社(Transco Products Inc.)がそれぞれ手掛けました。取替工事は本年1月からの同原子力発電所の定検工事に合わせて行われ、当社のプロジェクト管理の下、順調に工事を遂行し、アングラ1号機は3月6日に運転を再開しました。

 アングラ1号機は、リオデジャネイロの西方130kmに位置する出力65万7,000kWの原子力発電設備です。1985年に営業運転を開始したプラントで、今回のRVH取替は、信頼性と経済性を向上させるのが狙いです。

 エレトロニュークリア社は、ブラジル政府と国立銀行が株式の60%超を保有するブラジル中央電力公社(Centrais Eletricas Brasileiras S.A.)の子会社で、原子力発電所はアングラ1、2号機を所有するほか、3号機も建設中です。

 ブラジルでは、経済規模の拡大に伴い、新たな電源開発と電源の多様化が大きな課題となっています。そのため、新規原子力プラントの建設機運が高まる一方、既設プラントでは寿命延長計画に基づく大型設備の取替えが進められています。

 当社は取替用原子力設備では、米国向け15基を数える取替用RVHをはじめ多数の輸出実績を持っていますが、これからも原子炉の安全性と経済性の向上に資する取替用原子力設備の供給や保全技術の提供を通じて、安全な原子力発電所の運転と安定的な電力の供給に貢献していきます。

  
【原子炉容器上蓋 取替工事の様子】               【取替用原子炉容器上蓋】

 

 

 


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