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わが国初の総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター」の建設に着手

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 三菱重工業は27日、三原製作所 和田沖工場(広島県三原市)内において、わが国初の総合交通システム検証施設となる「MIHARA(Multipurpose Integrated Highly-Advanced Railway Applications)試験センター」の建設に着手しました。施設内に約3.2kmの鉄道軌道用の周回コースを持つグローバル仕様の検証施設で、完成後は当社だけでなく、他の企業や官民団体も広く利用可能な運営を目指す方針です。運用開始は2014年上期の予定。

 現地では同日、これを記念して起工式が開催されました。式典には、城納一昭広島県副知事、五藤康之三原市長をはじめ、関係省庁、機関、団体、大学、鉄道事業会社、メーカー、商社などから多数が列席、当社からは大宮英明社長が出席しました。

 MIHARA試験センターの建設は、日本のインフラ輸出戦略の柱の一つである鉄道システムの競争力強化をはかるのが狙いです。そのため、国際規格への対応に主眼を置いた検証施設とする計画で、国際規格への適合性評価や製品開発のための強力な支援ツールとして活用するとともに、“日本モデル”として評価の高い保守・運用を含めたソフト面の一層の充実にも役立てます。将来的には、スマートコミュニティ分野の総合試験やデモが実施できる環境を整備していく考えです。

 和田沖工場にはすでに鉄道用の試験線のほか、新交通システム(APM)や磁気浮上システム(HSST)用の試験線が設置されていますが、今回の検証施設建設では鉄道用の試験線を大きく拡張します。具体的には、3.2㎞の周回軌道を導入して、最高速度毎時100 kmでの車両性能や曲線部での騒音試験、さらには連続運転による各種試験などが実施できる環境を整備するほか、車両、信号、通信、運行管理などを総合的に試験できる各種設備を構築します。

 世界の鉄道システム市場は活況を呈していますが、新興国の台頭により競争が激化しています。また、近年、高機能な信号・運行管理や都市域の複雑な路線配置への対応が要求され、それらに対応する高いインテグレーション力が受注のカギを握る傾向にあります。今回の検証施設建設はこのような市場動向を睨んだものです。

 検証施設は広く利用可能とする方針で、そのため、公平性、機密性、公共性の観点から関連団体や企業などによる委員会で評価や運営方法などを検討する考えです。すでに複数の関係機関が協力を表明しており、これにより、日本連合一体となった競争力強化をはかっていきます。

 当社は、この開かれた検証施設の建設を、インテグレーターたる当社の国際競争力強化に繋げるとともに、今後も、この分野のリーディング・カンパニーとして、優れたわが国鉄道システムの海外への浸透を強力に推進していきます。

Tags: 交通システム,アジア,I&Iドメイン
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