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中国・中船澄西新栄船舶とバラスト水処理装置の設置改造で協業

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 三菱重工業は、中国の中船澄西新栄船舶有限公司(Chengxi Shipyard(Xinrong)Co., Ltd.)と、就航船舶に対するバラスト水処理装置の設置改造事業に協力して取り組むことで合意し、協業に関する協定を締結しました。先進技術の導入により事業強化を目指す中船澄西新栄船舶と、エンジニアリング事業展開に力を注ぐ当社の思いが一致したものです。当社がバラスト水処理装置の設置をはじめ船舶改修工事の豊富な実績を通じて蓄積した高い技術力と、中船澄西新栄船舶の優れた改修対応力およびコスト競争力を組み合わせ、国際市場で優位な体制を築いていきます。

 今回の協業では、当社と中船澄西新栄船舶はバラスト水処理装置の機種選定から、設計、改造工事、営業までの全プロセスにわたり、緊密なパートナーシップを組んで対応します。当社からは、設置改造に必要な図面を供与するほか、必要に応じて指導員も派遣。また、船舶改修を手掛ける当社の船舶・海洋事業本部 横浜工場(横浜市中区)で、中船澄西新栄船舶の工事関係者の研修も行います。

 同一船型の船舶について複数隻への設置改造を一括受注した場合、当社横浜工場での最初の工事に中船澄西新栄船舶側も参加して取り組むことでノウハウを共有。以後の工事については、原則として中船澄西新栄船舶の工場で手掛けることにより、短期に多くの工事を低コストで行えるようにします。

 中船澄西新栄船舶は、中国国営で二大造船関連企業グループの一つである中国船舶工業集団公司(CSSC:China State Shipbuilding Corporation)の傘下企業で、江蘇省靖江市の長江沿いに本社工場を構えています。今回の協業交渉は三井物産株式会社の協力を得て行いました。

 バラスト水管理条約の発効により2017年に全面規制が始まると、船舶のバランスを保つための海水(バラスト水)を排出前に浄化するバラスト水処理装置の設置が、新造船と就航船に義務づけられます。規制対象となる船舶が多く、造船会社の中には新造船に特化し、既存の自社建造船に対するバラスト水処理装置の設置改造には対応しない方針を表明する企業も出ており、同規制への対応が造船・海運業界の大きな課題となっています。

 当社は、同処理装置の設置改造に関する専任部署を2011年4月に国内造船業界で初めて設置。本年1月には、株式会社商船三井と共同で開発した設置が簡便なコンテナ型バラスト水処理装置の基本設計で、一般財団法人日本海事協会の基本承認を取得するなど、同処理装置の設置改造事業で先行しています。加えて、船舶・海洋事業における成長戦略の一つとしてエンジニアリング事業を積極的に進めており、国内外の造船会社に対する技術支援を加速してきています。

 当社は、中船澄西新栄船舶との協業を、バラスト水処理装置の設置改造事業およびエンジニアリング事業の両面における大きな前進と位置づけ、新しいビジネスチャンス開拓につなげていきます。

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