Press Information

次世代型LNG運搬船「さやえんどう」の建造で商船三井と契約

Print

 三菱重工業は17日、株式会社商船三井と、次世代型LNG(液化天然ガス)運搬船を建造する契約を締結します。船体とタンクカバーの一体構造化などにより燃費やメンテナンス性を大幅に改善した、当社独自の「さやえんどう」船型が採用されます。完成・引き渡し後は2020年より、大阪ガス株式会社および九州電力株式会社がオーストラリアのイクシス(Ichthys)LNGプロジェクト※から調達するLNGの輸送に就く予定です。

【次世代型LNG運搬船「さやえんどう」】
 このLNG船は、長さ288.0m、幅48.94m、満水喫水11.5m、総トン数13万8,000トン(載貨重量トン数7万5,000トン)で、航海速力は19.5ノット。タンク総容積15万5,000m3(LNG積載可能量は15万3,000m3)で、長崎造船所で建造します。

 さやえんどう船型は、球形タンク4基を船体と一体構造の連続タンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現し、さらに航行中の空気抵抗を大幅に軽減します。また、主機関には蒸気を再度加熱利用することで熱エネルギー効率を高めたMHI Ultra Steam Turbine Plant(UST:再熱舶用推進蒸気タービン)を採用。燃費は従来船と比べ20%以上の低減が可能です。
 連続タンクカバーの採用により、タンク頂上で配管、電線、通路を支える構造物が不要になることから、メンテナンス性が大きく向上。また、燃費低減によるCO2排出量の抑制に加え、バラスト水処理装置の搭載による海洋生態系への影響軽減など、環境対応力も高めます。

 当社は本年4月、今治造船株式会社とLNG運搬船の設計および販売を手掛ける合弁会社の株式会社MI LNGカンパニーを設立し、同社を通じてLNG運搬船を受注する体制に移行しましたが、この商談は以前から進んでいたため当社が直接契約するものです。

 当社のさやえんどう船型の受注は、2011年10月の2隻同時受注を皮切りに、今回で累計6隻となります。高い省エネ・環境性能により海運業界で高い関心を集めており、日本の造船業界で開発が活発化しているエコシップをリードする製品に育ってきました。
 また、東日本大震災に伴う原子力発電所の停止や米国のシェール革命などを受け、LNGおよびLNG運搬船に対する需要が国内外で増大していることから、さやえんどう船型を含めたLNG運搬船の受注拡大に力を注いでいきます。

※イクシスLNGプロジェクトは、操業主体の国際石油開発帝石株式会社(INPEX)とフランスの総合石油エネルギー企業Total社の共同事業で、西豪州沖合から産出される天然ガスを同国ダーウィンに建設するプラントで液化するものです。2016年末までの生産開始を計画しており、日本のガス・電力会社も参加しています。
製品ページ

 


mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: