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P&Wの中小型ガスタービン事業ユニットであるPWPSの買収を完了
社名をPWパワーシステムズとして営業開始

発行 第 5363号
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 三菱重工業は、米国の航空機用エンジンメーカー、プラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney:P&W)の中小型ガスタービン事業ユニットであるプラット・アンド・ホイットニー・パワーシステムズ(Pratt & Whitney Power Systems:PWPS)の買収手続きをすべて完了しました。これを受け、PWPSは17日(現地時間)、商号を「PWパワーシステムズ(PW Power Systems, Inc.:PWPS)」と変更し、当社グループ企業として営業を開始しました。

 今回の買収完了は、昨年12月、P&Wの親会社である米複合企業、ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies Corporation:UTC)とのPWPS買収契約締結を受け、これまで進めてきた一連の許認可取得などの手続きすべてが終了したものです。当社はこれにより、2014年1月に実施する日立製作所との火力発電部門の統合と合わせ、火力発電システム市場の多様なニーズに対して、よりフレキシブルに対応できる体制が整うこととなります。

 PWPSは航空機エンジン転用型ガスタービンを活用したエンジニアリング・組立・販売を主力に、ガスタービンのサービスやEPC(設計・調達・建設)なども手掛けています。従業員数は約430人。また、今回の買収に伴いイタリアの低温熱源発電用(ORC※)タービンメーカーであるターボデン社(Turboden s.r.l.)も当社の系列に加わることとなりました。

 当社はこれまで大容量かつ高効率のハイエンド機を中心にガスタービン事業を展開してきましたが、PWPSの中小型の航空機エンジン転用型ガスタービンが当社の製品群に新たに加わることで、売上規模で先行する欧米の競合他社にも十分匹敵するフルレンジのラインナップが整います。

 PWPSの航空機エンジン転用型ガスタービンは、コンパクトな設計と起動時間の早さにより主として非常用発電用として高い評価を受けており、これまで世界中に1,700台以上の納入実績を持っています。今後はさらに再生可能エネルギーのフレキシブルな補完電源として大きな伸張が見込めるほか、新興国の小型電源としても幅広い市場を期待できます。また、これまでは3万kWクラスの機種が主力でしたが、現在開発中である6万kWクラス新機種の早期投入を考えており、これによりシェアの大幅拡大を目論んでいます。

 ターボデン社のORCタービンはバイオマスや工場排熱、さらには地熱などの低温熱源を用いて発電や温水供給できるシステムが特徴で、欧州を中心に世界20ヵ国向け300基超の販売実績を持っています。日本においても再生可能エネルギーの固定買取制度により、これまで利用されていなかった地熱やバイオマスなどの低温熱源を用いた発電事業が増加していますが、今後、これら拡大する市場で積極的な事業展開を行っていきます。

 P&Wとは従来から良好な協力関係にありましたが、PWPS買収後もガスタービン用エンジン部品の供給や新型機種の開発などで協調関係を継続し、航空機エンジン転用型ガスタービンの事業拡大をはかっていきます。

 当社は今後、PWPSと密接に連携し、大型機と航空機エンジン転用型機の双方の長所を生かしながら、その相乗効果で、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に貢献するガスタービンの世界シェア30%超の早期達成を目指していきます。

※ORC = Organic Rankine Cycle。ORCタービンは沸点の低い有機媒体を用いたタービン。
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