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次世代型LNG運搬船「さやえんどう」を受注、累計7隻に

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 三菱重工業は4日、国際石油開発帝石株式会社(INPEX)が主導するオーストラリアのイクシス(Ichthys)LNG(液化天然ガス)プロジェクト※からINPEXが調達するLNGの輸送向けに、次世代型LNG運搬船を受注しました。燃費やメンテナンス性を大幅に改善した、当社独自の「さやえんどう」船型が採用されます。完成・引き渡しは2016年末で、川崎汽船株式会社とINPEXの子会社による共同出資会社オーシャン・ブリーズ・LNG・トランスポート社(OBLT社)が保有します。同船型の受注は本年5月に次ぐもので、累計受注は今回で7隻となりました。

【次世代型LNG運搬船「さやえんどう」】
 このLNG船は、長さ288.0m、幅48.94m、満水喫水11.5m、総トン数13万8,000トン(載貨重量トン数7万5,000トン)で、航海速力は19.5ノット。タンク総容積15万5,300m3(LNG積載可能量は15万3,000m3)で、長崎造船所で建造します。

 さやえんどう船型は、球形タンク4基を船体と一体構造の連続タンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現し、さらに航行中の空気抵抗を大幅に軽減します。また、主機関には蒸気を再度加熱利用することで熱エネルギー効率を高めたMHI Ultra Steam Turbine Plant(UST:再熱舶用推進蒸気タービン)を採用。燃費は従来船と比べ20%以上の改善が可能です。
 連続タンクカバーの採用で、タンク頂上で配管、電線、通路を支える構造物が不要になるため、メンテナンス性が大きく向上。また、燃費改善によるCO2排出量の抑制に加え、バラスト水処理装置の搭載による海洋生態系への影響軽減など、環境対応力も高めます。

 当社は本年4月、今治造船株式会社とLNG運搬船の設計および販売を手掛ける合弁会社の株式会社MI LNGカンパニーを設立し、同社を通じてLNG運搬船を受注する体制に移行しましたが、この商談は以前から進んでいたため、5月の商船三井株式会社向けと同様に当社が直接契約したものです。

 さやえんどう船型は、高い省エネ・環境性能により海運業界で高い関心を集め、2011年10月の2隻同時受注を皮切りに受注実績が順調に伸びており、日本の造船業界で開発が活発化しているエコシップをリードする製品に育ってきています。
 また、東日本大震災に伴う原子力発電所の停止や米国のシェール革命などを背景として、LNGおよびLNG運搬船に対する需要が国内外で増大していることから、さやえんどう船型を含めたLNG運搬船の受注拡大に向けさらなる技術開発を推進していきます。

※イクシスLNGプロジェクトは、INPEXが操業主体となりフランスの総合石油エネルギー企業Total社との共同事業で、西豪州沖合から産出される天然ガスを同国ダーウィンに建設するプラントで液化しLNGとして出荷するもので、2016年末までに生産を開始する計画です。
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