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大規模脱硝システムの性能確認運転に成功

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 三菱重工業は、出力計80万kW超のガスタービン・シンプルサイクル発電プラントに設置する大規模脱硝システムの性能確認運転に成功しました。20万kW超のガスタービン4基からなる米国のマーシュ・ランディング(Marsh Landing)発電所で行われた運転において、当社の脱硝システムがNOx(窒素酸化物)やアンモニアなどの排出を規制値内に抑えることに成功したもので、20万kW級の大規模ガスタービン・シンプルサイクル発電プラントで脱硝システムの運転が実証されたのは今回が初めてです。

 今回の性能確認運転は、当社原動機事業の米国拠点であるMPSA(Mitsubishi Power Systems Americas, Inc.)が担当しました。マーシュ・ランディング発電所はカリフォルニア州アンティオック(Antioch)に位置しますが、サンフランシスコのベイエリア郊外である同地域には、NOx、アンモニア、CO(一酸化炭素)、揮発性有機化合物、粒子状物質などの排出に関して、世界で最も厳しい排出制限が課せられています。しかし、当社の脱硝システムはすべての性能試験や規制適合試験をクリアするとともに、急速な起動および負荷変動時においてもガスタービン負荷0~100%の全域で規制適合を実証しました。

 今回の脱硝システムは、約600℃に達するガスタービンの排気ガスを460℃以下に冷却するシステムを導入しているのが特徴です。このため、冷却媒体となる空気と高温の排気ガスを均一に混合させるシステムを採用するとともに、空気を排気ガスに導くダクトを熱負荷から保護する構造に仕上げています。また、急速起動・負荷変化に対応する構造設計・制御設計や、排気熱を利用したアンモニア気化システムなどを導入しています。

 マーシュ・ランディング発電所は、再生可能エネルギーを利用した大型発電サイトのバックアップ電源として立地されたものですが、近年、このようなバックアップ電源や、夏場のピーク対応電源の開発ニーズが急速に高まっています。その多くは小型ガスタービンやガスエンジンですが、マーシュ・ランディング発電所のような大規模プラントも徐々に増加しています。

 今回の脱硝システムは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電とは異なる、ガスタービン・シンプルサイクル発電に対応するものですが、今回の実証成功は、北米で広く運転されている大型ガスタービン・シンプルサイクル発電プラントの排ガス処理ニーズに応えるのはもちろん、新規のバックアップ電源やピーク対応電源プラントの大型化にも対応するものとして期待されます。

 当社はNOx排出抑制技術のパイオニアです。過去40年以上にわたって発電用ボイラー、ガスタービン、精製所、プロセスヒーターなど向けに、液体、ガス、固体燃料を問わず、多様な排出抑制システムを開発し、全世界に600基以上の脱硝システムを供給してきました。
 当社は今後も、大型ガスタービン発電を含む様々な排出抑制ニーズに一層積極的に対応していきます。
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