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アジア新興国市場向けの新聞オフセット輪転機「DIAMONDSPIRIT-SA」を開発

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 三菱重工グループの三菱重工印刷紙工機械株式会社(社長:清水 雅巳、本社:広島県三原市)は、アジアの新興国市場向けに新型の新聞用オフセット輪転機「DIAMONDSPIRIT-SA(ダイヤモンドスピリット-エスエー)」を開発、インドの老舗新聞社マラヤラ・マノラマ社(The Malayala Manorama Company Limited)から5セットを初受注しました。コンパクト化などにより工場建屋費用と電力消費量を抑制するほか、不安定な電力事情を踏まえ停電時に印刷中のロール紙を損なうことなく安全に停止する「ソフトストップ」機能を搭載していることが特長です。2014年秋から2015年の夏にかけて順次納入の予定。

【新聞用オフセット輪転機「DIAMONDSPIRIT-SA」】
 DIAMONDSPIRIT-SAは、2003年に発売し高速・高品質印刷と運用コストの大幅低減が可能な輪転機として納入台数を伸ばしている「DIAMONDSPIRIT」で実証された多くの技術を採用。同時に、急速に変化する新興国のメディア事情に合わせて一層投資効果の高い設計としました。

 同機は40ページの新聞を1時間に15万部印刷することができます。DIAMONDSPIRITでは、印刷イメージを紙に直接転写するブランケット胴が2ページ周長でしたが、DIAMONDSPIRIT-SAでは、このブランケット胴を1ページ周長と半分にすることなどにより、印刷ユニットの高さを約20%低減、重量を約30%軽減しました。こうしたコンパクト設計の結果、電力消費量を約20%抑制できます。

 停電の際にロール紙を破ったりせずに停止するソフトストップ機能は、国内でも多くの輪転機で導入されている技術です。輪転機のセンサーが停電を検知すると、印刷ユニットの駆動モーターから得られる回生エネルギーにより、折機部や印刷後の紙をページ順に並べるウェブパス部の駆動モーターが回転を継続。輪転機が完全停止するまで各モーターが同調回転する仕組みで、定期的な蓄電池交換が必要な無停電電源装置(UPS)を導入する場合に比べ大幅な運用コストの抑制につながります。

 マラヤラ・マノラマ社は1888年創業で、インド南部のケララ州を拠点に現地語(マラヤラム語)新聞を約230万部発行しています。ケララ州内に11ヵ所の印刷工場を保有。そのうち3ヵ所に今回の新型輪転機5セットが導入されます。同州は製造業やIT産業が成長しており、今後も新聞の発行部数と広告収入の増大が見込めることから、今回の設備投資を決定したものです。

 近年、アジアを中心に多数の新興国市場では、経済成長を背景に新聞社を含めたメディア産業界が活発な変化を続けており、こうした変化に対応するための設備投資にも高い投資収益率が求められています。
 三菱重工印刷紙工機械は、DIAMONDSPIRIT-SAをこうした新興国市場ニーズを捉えた新聞用オフセット輪転機の戦略製品として、積極的な営業活動を展開していきます。

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三菱重工グループについて

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長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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