Press Information

東洋製作所を完全子会社化

Print

 三菱重工業は、冷熱・環境エンジニアリング大手の株式会社東洋製作所(社長:黒川英樹)の全発行済株式を取得し、同社を完全子会社化しました。当社は今後、同社との連携を一層強化し、技術、営業、生産など各バリューチェーンでの協業を展開することで各種シナジーを創出し、冷熱事業の更なる拡大を目指します。

 東洋製作所は1952年に当社と株式会社ニチレイ(当時は日本冷蔵株式会社)の共同出資で設立されて以来、総合冷熱・環境エンジニアリング企業として、冷熱、空調、環境設備等のシステム・機器の設計・製作・施工・保守サービスを手掛けてきました。
 愛知県で開催された「愛・地球博」で、ロシアの永久凍土から発掘されたマンモスの一部を、地球環境に優しい自然冷媒を用いた冷凍装置を使用し展示したこと等に始まり、主に自然冷媒を特徴として、現在の製品であるコンパクトで高効率な冷凍・冷蔵装置につながる等の常に新しい技術を開発しています。同社が保有する低温・熱回収・自然冷媒分野の独自の先進技術や、それらに裏打ちされた幅広い製品群、更には、全国規模の販売・サービス網を駆使した事業展開は、高い評価を得ています。

 東洋製作所は長く当社の持分法適用関連会社として当社と緩やかな協業関係を続けてきましたが、当社が完全子会社化することで、同社が必要とする事業展開の加速を支援し、それらを実現することができると判断しました。
 まず、東洋製作所は、海外市場への対応が喫緊の経営課題となっていますが、当社の海外事業のノウハウ、事業インフラを活用することにより、海外展開を加速していくことができます。

 また、エンジニアリング事業においては、地球温暖化防止の観点から、プラント内で発生する熱の活用が課題となっていますが、東洋製作所は排熱回収および冷却技術を活用したCO2回収技術などの熱利用技術を持っており、これを活用することで、当社プラントの競争力強化と東洋製作所の事業規模拡大をはかることができます。また、低温エンジニアリングの分野では、フロン系の冷媒が規制される傾向の中、当社はフロンレスのコンプレッサーの技術などの高度な技術を有しており、これらの技術を東洋製作所が活用することで、事業拡大やエンジニアリング力の基盤強化に寄与できます。

 さらに、空調事業においては、東洋製作所は冷凍機本体の工事・サービスに加えて、当社が取り扱っていない空調機の周辺機器の工事・サービスについての対応力を有しており、当社の空調機のサービス事業と合わせることにより、サービス事業の拡大をはかることができます。また、サービス業務について両社は一部重複する体制となっているため、これを見直すことにより、業務プロセスをシンプルにして省力化をはかるとともに、省力化による人員で需要を開拓することで、サービス事業の売上の拡大を図ることができます。

 これらを踏まえ、当社は同社の完全子会社化を企図し、当社にとって国内初となる株式公開買付けを実施。各種必要な手続きを経て、このほど、同社の全発行済み株式を取得するに至りました。

 当社は今後、東洋製作所とこれまで以上に密接に連携し、互いの経営資源を最大限に活用しながら、厳しい市場環境に打ち克つ効率的な事業を展開して、両社の事業価値を高めていきます。

mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: