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スウェーデンで原子炉加圧器の管台取替工事を受注
リングハルス原子力発電所3号機向け、耐腐食性を高め信頼性を向上

発行 第 5497号
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 三菱重工業は、スウェーデンのリングハルス電力(Ringhals AB)から、加圧水型原子力発電プラント(PWR)の主要機器である加圧器の管台(ノズル)取替工事を受注しました。同国南部に位置するリングハルス原子力発電所3号機向けで、継手部分の合金を耐腐食性のより高いものに変更することで信頼性の向上をはかります。工事の完成は2016年度の予定です。

 リングハルス原子力発電所は、同国第2の都市ヨーテボリの南方約60kmにあり、設置されている原子炉4基のうち2~4号機がPWRです。3号機は出力106万9,000kW で、1981年に稼働を開始しました。

 管台取替工事は、当社が技術検証、認証試験、装置製作、材料調達および現地工事を請け負うものです。安全弁管台や逃がし弁管台など3号機の加圧器に取り付けられている6ヵ所の管台の継手部を、600系ニッケル基合金から690系ニッケル基合金に交換します。690系ニッケル基合金は、クロムの含有量が高く、高温・高圧下で優れた耐腐食性を示します。
 同工事は、周りを囲まれた狭隘かつ放射線量の高い環境下での作業となるため、国内での工事経験を有する熟練した作業員を同国へ派遣し、施工することとなります。当社の原子力事業分野では、欧州で初の現地アフターサービス工事としての取り組みです。

 加圧器は、PWRの1次冷却設備を構成する機器の1つで、原子炉系を常に一定圧力に保ちます。欧米や日本など先進国の初期に建設された原子力発電プラントでは、プラントの信頼性向上や長寿命化に向けた動きが出ており、経年劣化に伴う応力腐食割れなどのリスクを低減させるために、各地のPWRでも蒸気発生器や上部原子炉容器、加圧器や、それらの一部についての交換などが実施されています。今回の取替工事も、こうした動きに沿うものです。

 リングハルス電力は、スウェーデンの国営電力庁が民営化されて発足したバッテンフォール電力(Vattenfall AB)の傘下企業です。当社はこれまでリングルハルス電力に、取替用上部原子炉容器3基と、取替用原子炉制御棒駆動装置1式を納入した実績を持っています。今回の受注は、これらのプロジェクトで当社が示した技術力および品質、信頼性、納期の正確性や、日本国内のPWRで手掛けた20件を超える加圧器管台取替工事の実績などが評価されたことによるものです。

 当社は、PWRプラント機器のリーディングカンパニーとして、今後とも国内外における既存原子力発電プラントの主要機器や部位の取替工事商談を積極的に開拓し、電力の安全・安定供給に貢献していきます。


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