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放射線治療装置Vero4DRTを広島県の先端的医療施設向けに受注
来秋開業予定の高精度放射線治療センター(仮称)が導入

発行 第 5550号
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 三菱重工業は、広島県で2015年秋に開業が予定されている最先端がん放射線治療施設の高精度放射線治療センター(仮称、広島市東区)向けに、動体追尾照射機能搭載の放射線治療装置Vero4DRT(販売名:線形加速器システムMHI-TM2000)を受注しました。Vero4DRTの製造拠点がある広島県では初の受注で、受注累計は30台に達しました。同センターの開業と同時に本装置を使った治療が開始される予定です。

 高精度放射線治療センター(仮称)は、広島県を整備主体として、JR広島駅北口の再開発地区(二葉の里)に建設中です。広島県医師会が運営主体となり、広島大学病院、県立広島病院、広島市立広島市民病院、広島赤十字・原爆病院の4基幹病院と広島県医師会、広島市および広島県による7者の共同事業として運営するもので、高度な放射線治療を専門的に行う先端的な医療施設として地域の期待を担っています。

 同センターが導入するVero4DRTは、呼吸などの影響で揺れ動くがん病巣をリアルタイムにモニタリングしながら追尾し、狙った病巣にピンポイントでX線を連続的に照射できます(動体追尾放射線治療)。加えて、照射部位における線量分布の強度を変調させ、多方向から照射することで、複雑ながん病巣の形状に適合した高線量領域をつくるとともに、周辺の正常細胞への照射線量を減らす強度変調放射線治療(IMRT)にも対応しており、同センターの目指すコンセプトに合致した最先端の高精度放射線治療を提供することが可能です。

 Vero4DRTは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基盤技術研究促進事業、産業技術実用化助成事業の支援を受けて製品化し、2008年1月に国の薬事承認を取得し販売を開始したもので、広島製作所(広島市西区)で製造しています。高エネルギー加速器研究機構と開発し、三原製作所(広島県三原市)で製造した新型の小型加速管を世界で初めて医療用に採用し、治療用高品質X線の発生源をコンパクトに収めたことで、自由な機械動作を可能にしました。また、照射照準を簡便に合わせられるシステムも備えており、これらの画期的な機能の組み合わせにより、患者、医療従事者の負担を抑えながら迅速かつ正確な放射線治療を実施できるようになっています。

 がんに関しては、患者にとって優しく、かつ効果的な治療の普及が期待されており、放射線治療は体にメスを入れない優しい治療ということで、放射線治療を行う施設の増加が見込まれています。当社は、このような社会の要請に応えられるよう、積極的にVero4DRTの拡販に努めていきます。
放射線治療装置 Vero4DRT
放射線治療装置 Vero4DRT
カウチ側からみた装置

Tags: 産業機械,アジア,I&Iドメイン
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