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内歯車を樽形の多刃工具で高速・高精度に低コスト加工

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 三菱重工業は、内歯車を高速・高精度に加工する「三菱スーパースカイビングシステム」を開発しました。従来のスカイビング(Skiving)が抱える技術的課題を、当社が独自開発した樽形の多刃回転工具(特許出願済み)※を使うことでクリアしたもので、加工が難しい内歯車を量産できるのが特長です。また、工具の長寿命化と加工時間短縮の実現により、生産コストの低減がはかれます。2015年4月をめどに工具および専用スカイビング盤の販売を開始する計画です。

【スーパースカイビングカッター】
 新システムのポイントは世界初の新工具「スーパースカイビングカッター」で、2009年に開発した量産用内歯車研削盤「ZI20A」で実現した世界初の技術(樽形砥石)をスカイビングに適用することにより開発に成功したものです。さらに、スカイビング専用に切削シミュレーションソフトを開発し、工具切刃にかかる切削力などを正確にシミュレーションすることで、工具の長寿命化と加工機に合わせた最速加工を実現します。当社は新工具だけでなく、シミュレーション技術、加工機、加工ソフトを組み合せ、三菱スーパースカイビングシステムとして最適な内歯車加工を提供します。

 スカイビング加工は、ピニオンカッター型などの回転工具をワーク(歯車材)に対して軸交差角度を与えて取り付け、両者を同期回転させることで切削加工する技術です。両者の接触点では軸交差角度の影響で工具の軸方向にすべり速度が生じることにより、高速加工が可能になります。半面、ピニオンカッター型などでは切削角度(すくい角)が鈍角となるため加工精度を高めることが難しく、工具も激しく消耗します。

 新開発の工具は、ワークとの干渉を避け、かつ切削角度が鈍角にならないよう樽形にすることで、大きな軸交差角を取ることができ、切削速度、加工精度ともギヤシェーパよりも優れているとされるピニオンカッター型スカイビングを凌ぐ水準を達成。また、多刃にすることで工具寿命は2倍以上となります。

 10月30日(木)~11月4日(火)に東京・有明の東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2014 第27回日本国際工作機械見本市」に、新システムを出展(参考出品)。加工実演も行います。

 当社は引き続き、各種歯車加工の機械と切削工具の両方を手掛ける強みを活かし、先端的な歯車加工技術の開発、提供に力を注いでいきます。

※ 中央部径が両端部径に比べて漸増している樽形の多刃・ねじ状工具。

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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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