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次世代LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE」の開発を完了
新パナマ運河に対応し高い輸送効率と燃費性能を実現

発行 第 5599号
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 三菱重工業は、次世代LNG(液化天然ガス)運搬船「サヤリンゴSTaGE」の開発を完了しました。信頼性の高い球形貨物タンクを搭載するMOSS(モス)方式※1の進化版として高い評価を得ている「さやえんどう」※2の次世代タイプで、リンゴ形状タンクの採用により船幅を変えずにLNG搭載量約16%増を実現するとともに、ハイブリッド推進システムを採用することで「さやえんどう」からさらに燃費効率を20%超改善(従来船比40%超改善)しました。現在注目されている北米産シェールガスを安全かつ効率よく運べる能力を強みに、LNG運搬船の戦略製品として積極的な受注活動を展開します。

 「さやえんどう」が連続したカバー(さや)の中に、球形タンク(まめ)を搭載しているのに対して、本船に搭載されるタンクは上半球部分が下半球部分より膨らんだリンゴ形状をしていることからサヤリンゴと名付けました。このリンゴ形状タンクは、信頼性の高いMOSS型タンクを改良したもので、2016年初めにも運用開始が見込まれる新パナマ運河の通行が可能な最大船型※3を開発するにあたって採用し、LNG搭載量を効率的に増やすことに成功しました。

 STaGEはSteam Turbine and Gas Enginesの略称で、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸推進方式です。「さやえんどう」に採用されている当社独自の高効率再熱舶用蒸気タービン機関「MHI Ultra Steam Turbine Plant」(UST)と、ガスと油の両方を燃料にできる2元燃料ディーゼルエンジン発電設備および電気推進機関を搭載。エンジンの排熱をUSTで有効利用することでプラント効率を大幅に改善し、低速域から高速域まで高効率運航が可能な推進システムとしました。

 今回基本設計を終えたタイプは、長さ297.5m、幅48.94m、深さ27.0m、喫水11.5mで、リンゴ形状タンクを4基搭載。LNGタンク総容積は18万m3ですが、輸送量ニーズに合わせてタンク総容積を柔軟に設定することができます。

 当社は2011年、「さやえんどう」を開発し、2隻同時受注を皮切りとして順調に受注を重ねてきました。累計受注実績は、今治造船株式会社との合弁会社である株式会社MI LNGカンパニーを通じた1隻を合わせ8隻となります。
 今回、さらに輸送能力と燃費性能に優れる「サヤリンゴSTaGE」を後継船としたことにより、この環境性能に優れた次世代LNG運搬船の積極的な営業活動に取り組み、国内外のLNG輸送業界に貢献していきます。

※1 自立球形タンクを円筒形の支持構造(スカート)で固定し、上部を半球状のカバーで覆う方式。
※2 球形アルミタンクを囲う鋼製のカバーを連続型とし、かつ主船体と一体化させた構造。フィンランドAker Arctic社の技術協力に基づき、当社が開発しました。
※3 拡張された新パナマ運河を通れる最大船型(New Panamax)の主寸法は、長さ366m、幅49m、喫水15.2m。

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