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三菱重工業は、社内表彰「Best Innovation(ベストイノベーション)2014」に、EOR(石油の増進回収)に用いる石炭焚発電所からの大型CO2回収プラントや、国産初となるジェット旅客機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)のロールアウト式典開催など17件を選定しました。
今回の受賞案件は次のとおりです。
【新製品賞】
・石炭焚発電所からの大型CO2回収プラント(EOR用途)
・タンデムハイブリッド推進方式貨客船・東海汽船「橘丸」
・最新ターボ冷凍機「GART」を付帯した熱源総合制御システム「エネコンダクタ」
【新業務プロセス賞】
・海洋調査船等特殊船におけるデジタルモックアップを活用した流用設計による品質向上
・自動車用ターボチャージャー試作期間短縮による受注拡大
・量産空調製品の見込み生産から受注品的生産への改革
【特別賞/新技術賞】
・新交通システム向け新型台車の高速化技術
・プリズムローテータによる高速高品質レーザ穴あけ加工技術
・超臨界圧下での伝熱管異常過熱予測を可能とした先進解析・実験技術
・タービン向け大型低損失軸受を実現する油膜・構造連成解析、検証技術
【特別賞/イメージアップ賞】
・総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター」
・MRJロールアウト式典開催
【特別賞/ベスト・セーフティ・プラクティス賞】
・ヒューマンエラー災害防止に向けた擬似体験教育の全社展開
【特別賞/ベスト・クオリティ・プラクティス賞】
・海外事業会社によるEPCプロジェクト品質管理活動
・ベトナムでのボーイング737部品の高レート安定生産に向けた品質改善活動
・H-IIA/Bロケット連続打上げ成功に向けた信頼性確保および品質向上活動
・タイヤ加硫機の中国生産における品質管理活動
受賞案件の概要は次のとおりです。( )内は担当部門。
【新製品賞】
◇石炭焚発電所からの大型CO2回収プラント(EOR用途)
(エネルギー・環境ドメイン)
石炭焚発電所より放出される燃焼排ガスから、CO2を分離・回収するプラント。回収したCO2を老朽油田に注入することで、原油の増進回収をはかる。CO2回収能力は世界最大の4,776トン/日で、環境とエネルギーを両立させる画期的なソリューションを実現。
◇タンデムハイブリッド推進方式貨客船・東海汽船「橘丸」
(交通・輸送ドメイン)
貨客船初となるディーゼル主機関直結のプロペラと電気駆動のアジマス推進器を組み合わせたタンデムハイブリッド方式を採用し、推進効率の向上をはかり、東海汽船株式会社の東京と伊豆諸島を結ぶ航路に就航している既存船と比較して約15%の燃費を改善。また、360度旋回するアジマス推進器により、狭い港内でも出入港が容易となる。
◇最新ターボ冷凍機「GART」を付帯した熱源総合制御システム「エネコンダクタ」
(機械・設備システムドメイン)
最新ターボ冷凍機「GART」とその性能を生かしきるための熱源総合制御システム「エネコンダクタ」を組み合わせることで、お客様のエネルギー消費を容易にかつ効果的に低減できるシステムで、イニシャルコストも低減した。「平成25年度省エネ大賞」で最高賞を受賞した。
【新業務プロセス賞】
◇海洋調査船等特殊船におけるデジタルモックアップを活用した流用設計による品質向上
(交通・輸送ドメイン)
海洋調査船など特殊船は従来個船ごとに設計していたが、3D-CADシステム連携により建造実績船から流用設計することでマスカスタマイゼーションを可能とし、設計リードタイム短縮と設計品質向上を実現した。
◇自動車用ターボチャージャー試作期間短縮による受注拡大
(機械・設備システムドメイン)
試作時の性能検証で他社を上回ることが、受注獲得のキーファクターであるが、バリューチェーン全体でこの試作期間を短縮し、他社より早く試作品を納品することで、受注拡大に貢献。
◇量産空調製品の見込み生産から受注品的生産への改革
(機械・設備システムドメイン/Mitsubishi Heavy Industries-Mahajak Air Conditions Co., Ltd.:MACO)
MACO社(タイ)を中心に、見込み生産から受注品的生産への改革を実行。開発設計、生産管理、製造、販売管理のプロセス改善に加え、物流改革も実施して在庫を縮減し、効率的生産を実現。
【特別賞/新技術賞】
◇新交通システム向け新型台車の高速化技術
(交通・輸送ドメイン)
新交通システムにおいて、騒音や振動を低減した新型台車などを開発し、従来を大きく上回る最高速120km/hの車両を実現可能とした。
◇プリズムローテータによる高速高品質レーザ穴あけ加工技術
(技術統括本部)
レーザによる加工において、任意形状の高速穴あけ加工を、世界に類を見ない独自の光学系開発により実現した。
◇超臨界圧下での伝熱管異常過熱予測を可能とした先進解析・実験技術
(技術統括本部)
ボイラー伝熱管の大規模流動解析技術を開発、試験結果と組み合わせ、ボイラー伝熱管を設計する手法を開発、異常過熱を防止するボイラー伝熱管の設計に世界で初めて適用した。
◇タービン向け大型低損失軸受を実現する油膜・構造連成解析、検証技術
(技術統括本部)
蒸気タービンなどの軸受において、独自の軸受構造(直接潤滑2パッド)により世界最大級の軸受(35インチ)を実現。 軸受損失を大幅低減し、発電効率を向上させた。
【特別賞/イメージアップ賞】
◇総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター」
(交通・輸送ドメイン)
国内初となる周回軌道試験線を完備した総合交通システム検証施設を設立。日本の都市交通インフラ輸出促進のため、グローバル仕様の検証施設として当社だけでなく、他の企業や官民団体にも広く利用の門戸を開放。
◇MRJロールアウト式典開催
(交通・輸送ドメイン/三菱航空機株式会社ほか)
世界最先端の空力設計技術・騒音解析技術などの適用と最新鋭エンジンの採用により、大幅な燃費低減を実現しつつ、騒音・排出ガスを大幅に削減し、また、これら圧倒的な運航経済性と環境適合性により、エアラインの競争力と収益力の向上に大きく貢献する、MRJ完成機体を全世界へ披露したもの。
【特別賞/ベスト・セーフティ・プラクティス賞】
◇ヒューマンエラー災害防止に向けた擬似体験教育の全社展開
(全事業所(人事労政部))
さまざまな設備を用いて、挟まれ・巻き込まれ災害や墜落・転落災害などを擬似的に体感することで、安全衛生意識の高揚、ヒューマンエラー災害防止をはかることを目的とした教育の徹底。
【特別賞/ベスト・クオリティ・プラクティス賞】
◇海外事業会社によるEPCプロジェクト品質管理活動
(エネルギー・環境ドメイン/グローバル事業推進本部/Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd.:MHI-AP (シンガポール) )
プラント全体の設計品質向上のため、独自の教育カリキュラムを構築し、日本的な取合調整の重要性を理解した海外現地エンジニアを育成した。日本で培った仕組みを海外事業会社に根付かせる地道な活動の結果、プラント引き渡し前のお客様からのコメントを大幅に低減でき、海外現地スタッフ育成のモデルケースとなる高い成果を得た。
◇ベトナムでのボーイング737部品の高レート安定生産に向けた品質改善活動
(交通・輸送ドメイン/MHI Aerospace Vietnam Co., Ltd.:MHIVA)
航空機産業が根付いていないベトナムで、現地作業者とともに地道な品質改善活動を継続。再発防止プロセス強化や教育マネジメントシステム構築によるプロセス強化および人づくりを成功させ、品質に対し高い意識を持つ集団に成長させた。
◇H-IIA/Bロケット連続打上げ成功に向けた信頼性確保および品質向上活動
(防衛・宇宙ドメイン/交通・輸送ドメイン)
H-IIA/B ロケット打上げに対し、組織横断横串評価を行う「品質評価活動」、製造ステップごとの審査機能を強化した「ゲート管理」、特性値トレンド評価等の「不適合未然防止活動」等々の品質の維持・向上に関する取り組みを長年にわたり、全組織全員参加で愚直に磨き続けた結果、H-IIA 7号機からの24機連続で打上げ成功を継続中。
◇タイヤ加硫機の中国生産における品質管理活動
(機械・設備システムドメイン/三菱重工(常熟)機械有限公司:MHICM )
調達品質向上およびサプライヤー管理効率化のため、中国工場(常熟)近郊でサプライヤーを発掘・指導・育成する活動を継続して行い、ダブルまたはトリプルソース化を実現した。さらに、日本-中国間でタイムリーな問題点のフィードバック、図面・仕様書の継続的改善を行い、中国調達率100%実現および調達品不良率の大幅改善を実現した。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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