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次世代LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE」を2隻受注

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 三菱重工業は4月30日、日本郵船株式会社向けに次世代LNG(液化天然ガス)運搬船「サヤリンゴSTaGE」を2隻受注しました。船体構造の効率化やハイブリッド推進システムの採用などにより、LNG搭載量や燃費性能を大幅に向上させた最新の船型です。完成・引き渡しは2018年の予定で、米国のキャメロン(Cameron)LNGプロジェクト(注1)から三菱商事株式会社が調達するLNGの輸送に投入され、北米産シェールガスの輸送に携わることとなります。

【次世代LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE」】

 この2隻は、今治造船株式会社との合弁会社である株式会社MI LNGカンパニーを通じて受注したもので、長崎造船所で建造します。長さ約293.5m、幅48.94m、深さ27.0m、喫水11.05m、タンク総容積165,000m3で、リンゴ形状のMOSS方式(注2)球形タンクを4基搭載。タンクを船体と一体構造のタンクカバーで連続的に覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現しています。さらに航行中の風圧による抵抗も軽減できます。2016年前半にも運用開始が見込まれる新パナマ運河の通行が可能な船幅におさめたうえで、LNG搭載量を効率的に増加させました。

 推進機関には、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸推進方式STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用。当社独自の高効率再熱舶用蒸気タービン機関UST(MHI Ultra Steam Turbine Plant)と、ガスと油の両方を燃料にできる2元燃料ディーゼルエンジン発電設備および電気推進機関を搭載します。エンジンの排熱をUSTで有効利用することでプラント効率が大幅に改善され、低速域から高速域まで高効率運航が可能となります。

 近年、発電用燃料としてのLNGに対する需要が、国内はもとより世界的に増大しています。また、米国のシェール革命により北米産LNGの世界市場におけるシェア拡大が中長期で見込まれ、LNGの輸送距離も伸びる傾向にあります。
 当社は本年1月、初の北米産シェール由来LNG輸送用として、次世代LNG運搬船2隻を受注しております。その後順調に受注を重ねており、今回の同社向けLNG運搬船受注はこれらに次ぐものです。

 当社は、輸送能力と燃費性能・環境性能に優れた次世代LNG運搬船に対する需要を幅広く掘り起こし、顧客拡大を通じて国内外のLNG輸送業界に貢献していきます。

  • (注1)キャメロンLNGプロジェクトは、米国のキャメロンLNG社がルイジアナ州のキャメロンLNG受入基地に、天然ガス液化施設を新設し、米国内で産出されるシェールガスをはじめとする天然ガスを精製・液化し、年間最大1,200万トンのLNGを輸出するもので、商業生産開始は2018年ごろの予定。
  • (注2)自立球形タンクを円筒形の支持構造(スカート)で船体に固定する方式。

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