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シンガポール公益事業庁(PUB)と三菱商事/三菱重工業、総合実証プラント建設へ

シンガポール公益事業庁
三菱商事株式会社
三菱重工業株式会社
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 シンガポール公益事業庁(Public Utility Board:PUB)と三菱商事/三菱重工業は、PUBが新設するトゥアス(Tuas)新下水処理場の下水処理コストの低減とエネルギー効率の向上を実現するため、先進の水処理・再利用技術を導入した総合実証プラントを建設することで合意し、契約を締結しました。

 総合実証プラントは、トゥアス新下水処理場向けの処理技術とその信頼性の実証を目的に建設されるものです。プロジェクトは、三菱重工のシンガポール現地法人であるMitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd. (MHI-AP) が、三菱商事との緊密な連携の下、実証プラントの設計・調達・建設・試運転からプロジェクト運転段階のサポートまでを手掛け、三菱重工 技術統括本部と三菱重工グループの三菱重工メカトロシステムズ株式会社(MHI-MS)がこれを支援する計画です。建設完了は2017年2月の予定。

 今回の総合実証プラントは、PUBが同国中西部に保有するウルパンダン下水処理場内に建設されます。処理能力は1万2,500m3/日。既設の下水処理場と異なり、オペレーターによる常時監視を必要としない完全自動化プラントとなる計画です。また、オペレーターの訓練施設としての役割も果たし、下水最適化に向けたパラメーターの検証を実施します。

 数々の先進技術を統合して省エネと省人化を実現するトゥアス新下水処理場は、下水の集水、処理、排水、再生を高効率に実現するシンガポールの水処理インフラである第2期深部式トンネル下水システム (DTSS)の中核設備となるものです。そして、第2期DTSSはシンガポール本島西部をカバーしていくこととなります。

 PUBのハリー・シアー(Harry Seah)Chief Technology Officerは、次のように述べています。
 「下水の処理および再生は、シンガポールにおいて持続可能な給水を確保するための基盤です。本プラントは、トゥアス新下水処理場において今後使用される新技術の試験・実証を可能にするための生きたモデルです。これらの新技術、検証済技術を通じ、トゥアス新下水処理場は、従来型プラントと比較して消費エネルギーを削減するとともに、環境に一層配慮して、発生する汚泥を減らし、より多くの電力用バイオガスの生産を可能にします。」

 PUBはシンガポールの水事業(貯水池管理、取水、配水、上下水処理、再生処理、雨水回収の事業)を一貫して担う環境水資源省(Ministry of the Environment and Water Resources:MEWR)の政府機関です。

 MHI-APとPUB は、2012年のシンガポール・インターナショナル・ウォーター・ウィークに、水処理・再利用技術についての2年間の協力に関する覚書(MOU)を締結しました。その覚書をベースに2013年には、PUBが保有するジュロン工業地区の水再生プラントで、未処理の工業排水処理を対象とした水再利用技術の実証試験プロジェクトを実施しています。MHI-APは今後も、シンガポールの水資源の効果的な管理・処理に向け、開発研究(R&D)を通じてPUBと協力していきます。

 三菱重工は今後も、PUBプロジェクトへの取り組みを通じて、シンガポールをはじめとする水処理市場での一層のプレゼンス拡大に向け、水処理・再利用技術の更なる高度化に取り組んでいきます。

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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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