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マレーシアでマルチレーン・フリーフローETCの実証試験を開始

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 三菱重工業は1日、マレーシアで、高速道路の複数車線を減速せずに走行する車両に課金できるマルチレーン・フリーフロー(MLFF)方式ETCの実証試験を開始しました。交通渋滞の緩和に向け2018年の実運用を目指し、各種技術を蓄積するのが狙いです。同国政府の協力のもと、同国のITS(高度道路交通システム)関連企業であるタッチアンドゴー社(Touch'n Go Sdn. Bhd.)およびクアトリズ社(Quatriz System Sdn. Bhd.)と共同で取り組んでいきます。

 現地では同日、実証試験開始を記念して式典が開催され、マレーシア科学技術省のアブバカ・モハマド・ディア副大臣をはじめ、公共事業省、運輸省、高速道路庁、日本大使館などから、両国の政府関係者や高速道路事業者幹部など約200人が列席しました。

 この実証試験は、科学技術省によるマレーシア国産技術開発への支援プログラムが適用されています。また、実証設備は、同省傘下のテクノロジー・パーク・マレーシア社より敷地の提供を受けて同社の敷地内に設置したものです。試験では、マレーシア特有のナンバープレートに合わせたチューニングや、さまざまな気象条件でのデータ収集などを行います。2016年には、これを発展させるかたちで、社会実験として実際の高速道路においてモニター車両による実証を予定しています。また、MLFFの技術による、駐車料金の支払い、車両の走行管理、自動車税管理の効率化など高速道路の課金以外の幅広いITSアプリケーションへの応用を検討していきます。

 当社は2013年、タッチアンドゴー社およびクアトリズ社と、マレーシアでのITS事業推進で協業していくための覚書(MOU)を締結。これまで3社の頭文字をとったTQMコンソーシアムとして、MLFFシステムをはじめ、幅広いITS分野の技術開発を共同で行ってきました。同国政府は、2018年のMLFF導入をすでに決定しています。

タッチアンドゴー社は、1996 年に設立されたETC 事業会社で、マレー半島各地の有料道路を対象に前払い式カードによるETC システムを運用しています。また、クアトリズ社は2012年に設立されたITSシステムインテグレーターで、マレーシアの国情に合わせた幅広いITSアプリケーションを提供しています。ITS事業で当社は、1985年に同国初の有料道路向け料金機械を納入して以来、同国と深いつながりを持ち、加えて日本やシンガポールをはじめ世界各国で豊富な実績を有しています。当社が保有する技術やノウハウをマレーシアの協業パートナーに提供することで、マレーシアの国情に合わせた技術を開発しています。

 当社は、この実証試験に先立ち、本年9月に外国籍企業としては初めて、マレーシアでのITS発展を目的として設立されたITSマレーシア(会長:ダト・イスマイル高速道路庁長官)への加盟が認められました。今回のMLFF実証試験を通じて、当社はマレーシアのITS事業発展に貢献することで、同国での安全で快適な交通環境の実現に貢献していきます。

 
   MLFF課金システム                                         MLFF実証設備除幕式


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