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株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 渕崎正弘、以下「日本総研」)、三菱重工業株式会社(本社: 東京都港区、取締役社長: 宮永俊一、以下「三菱重工」)、国際石油開発帝石株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長: 北村俊昭、以下「INPEX」)の3社(以下「調査コンソーシアム」)は、経済産業省が実施する『平成27年度 地球温暖化対策技術普及等推進事業(※1) 「メキシコ南部におけるCCS-EOR事業実現可能性調査」』 (以下「本事業」)にかかる公募に応募し、今般、本事業に関する調査を受託しました。
本事業は、調査コンソーシアムの各社が有する技術・ノウハウを活用し、メキシコ(※2)南部におけるCCS-EOR(※3)の事業可能性を調査するものです。工場や発電所等から回収した二酸化炭素(CO2)を油田へ圧入することで原油の回収率を高める技術であるCCS-EORは、大量のCO2を油田に埋め戻すため、原油増産のほか、CO2を大幅に削減させる効果も期待されています。本事業では、石油化学プラントや製油所等のCO2発生源の評価をはじめ、EOR対象油田の調査や事業経済性の試算などCCS-EORの実現に欠かせない調査について、2015年10月から2016年3月までの期間で実施する予定です。
また、今回の調査結果に基づいてCCS-EORに関する事業スキームの検討を行うとともに、政府が地球温暖化対策の一環として推進する「二国間クレジット制度」の活用方法等についても検討を進めます。
実施体制
本事業は、経済産業省から採択を受けた調査コンソーシアムが、株式会社三井住友銀行(本社: 東京都千代田区、頭取兼最高執行役員: 國部毅)の協力を得て実施します。
日本総研: 本事業の実施統括
二国間クレジット制度に関連した政策検討
排出削減方法論の検討
三菱重工: CO2発生源の評価
CCS-EOR設備の検討
INPEX: CCS-EOR事業に関する知見の提供
CO2-EORの適用可能性評価
三井住友銀行: CCS-EOR事業に関する資金調達・資金支援方策の検討
※1 地球温暖化対策技術普及等推進事業
二国間クレジット制度構築の可能性のある相手国(既に制度に関する二国間文書に署名した国も含む)に対する新たな政策の提言や、当該政策提言と連動した、低炭素技術・製品の普及等に向けた事業スキームの提案等を行うことにより、二国間クレジット制度と日本の低炭素技術・製品の有用性を明らかにし、相手国への低炭素技術・製品の普及促進を図るとともに、制度に関する二国間文書への署名国増大に資することを目的とする事業。
※2 メキシコ
メキシコは原油生産量世界第10位の産油国だが、主力油田の老朽化や新規油田開発の停滞を背景に、2004年以降は急速に生産量が減少している。石油生産の立て直しを急務とする同国では、EORによる石油増産をメキシコ湾の大水深油田やシェール層開発と並ぶ重要な取り組みに位置付けている。
※3 CCS-EOR
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、工場や発電所等から排出されるCO2を分離・回収し、長期間にわたって安定して貯留できる地層へ圧入することにより、主要な温室効果ガスのCO2を大規模に削減できる技術。気候変動に関する科学的な知見を収集・整理する政府間機構である気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、略称: IPCC)において、最も重要な気候変動対策の一つに挙げられている。なお、本事業におけるCO2分離・回収部分の検討には、三菱重工と関西電力株式会社が共同開発した高性能吸収液「KS-1TM」を用いる化学吸収法「KM CDR Process○R」を採用する。
EOR(Enhanced Oil Recovery)は、油田に存在する原油のうち、通常の方法では生産できない部分について、CO2や液体などを圧入して残留する原油を押し出すことで原油の生産性を高める技術。
CCS-EORは、本事業のように、CCSとEORを組み合わせた活用方法。
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