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H-IIAロケット29号機でテレサット社のTelstar 12 VANTAGEを軌道投入

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 三菱重工業は24日、世界的衛星オペレーターであるカナダTelesat社(テレサット社、本社:オタワ)の通信放送衛星Telstar 12 VANTAGEをH-IIAロケット29号機で打ち上げ、予定されていた軌道への投入に成功しました。当社初の商業衛星打上げ輸送サービスで、今後の宇宙事業に大きな前進をもたらすものです。

 H-IIAロケット29号機は15時50分(日本時間)に、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センター(吉信射点)から打ち上げられ、その後約4時間27分後にTelstar 12 VANTAGEの分離が確認されました。H-IIAロケット29号機は、JAXAによる基幹ロケット高度化開発の成果を第2段機体に適用(高度化仕様)することで静止衛星の打上げ性能が向上しており、今回の成功に貢献しています。

 Telstar 12 VANTAGEは、西経15度地点でテレサット社の高く評価されている既存の通信放送衛星Telstar 12と交代し、南米、アフリカ、カリブ海域、地中海域、大西洋、および北海といった成長市場における強力なKu帯域をかなり拡張することになります。

 H-IIAロケットは、日本の基幹ロケットであり、世界で最も信頼性の高いロケットの一つです。今回の打上げ成功で、H-IIAおよびH-IIBの打上げは連続28回成功となり、成功率は97%に達しています。

 テレサット社の社長兼CEOであるダニエル・ゴールドバーグ(Daniel S. Goldberg)氏は、次のように語っています。「三菱重工が初の商業衛星打上げを支障なく成功させたことを祝福します。この衛星(Telstar 12 VANTAGE)は、商業衛星産業界で一層需要が高まっている周波数帯域(Ku帯域)に対して最適化された新世代衛星です。この打上げを計画通りに成功させた価値あるパートナーである三菱重工やエアバス・デフェンスandスペース社などの努力に深く感謝します。」

 また、当社の阿部直彦 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部長は、次のように述べています。「私たちは、当社打上げ輸送サービスに対するテレサット社からの信頼に心から感謝するとともに、JAXA、テレサット社、エアバス・デフェンスandスペース社、および当社を含む全チームの仕事に対して感謝の意を表したいと思います。H-IIAによる商業衛星打上げは今回が初めてであり、この成功により当社は、日本および海外の打上げ輸送サービスで、さらに積極的な営業活動を展開することにより、日本の宇宙産業の持続・強化において中心的役割を果たしつづけます。」

※ Ku帯域は、無線通信で使われる周波数帯域のうち、12GHz~18GHzの帯域のことで、主に衛星通信によるBS放送などで用いられています。

Tags: 宇宙,アジア,防衛・宇宙セグメント
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