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三菱重工業は、長崎造船所において建造に取り組んできたアイーダ・クルーズ(AIDA Cruises)向け大型クルーズ客船2隻のうち1番船の「AIDAprima(アイーダ・プリマ)」を竣工、14日に引渡し式を行った後、AIDAprimaはドイツのハンブルグに向け出航しました。
マイケル・タム コスタ・グループ社長は、船の引渡しにあたって次のように述べました。
「AIDAprimaは、アイーダ・グループのまったく新しいクルーズ客船ファミリーの1番船です。その創造性と大いなる革新性により、私たちは、他への模範となる見事な方法で、高水準な製品の品質と環境適合性を実現しました。この船の優れた設計に非常に喜んでおり、この船に乗客を迎えることを楽しみにしています。彼らも、この船に感銘を受けることでしょう。」
「20年前、アイーダ・クルーズは、モダンクルーズという新たな概念を打ち立てました。当社のこの新たな主力船とそれに続く3隻は、ドイツのクルーズ市場に対し、引き続き成長への重要な弾みを与えることになるでしょう。当社は、年間を通じてドイツから出航するクルーズを提供するドイツ初のクルーズ会社となり、再びクルーズの新境地を開くことになります。私たちは、AIDAprimaが提供する多様でユニークなサービスにより、新たなクルーズ顧客層が生まれると確信しています。」
また、当社の宮永社長は、次のように述べました。
「かつてない多くの新機軸を搭載した次世代客船の建造に伴う課題を克服し、AIDAprimaが完成しました。最高の快適性、エンターテイメント性を備えた高い品質の客船に仕上がっており、乗客の皆さんに非常に快適で楽しい船旅を提供できると確信しています。」
AIDAprimaは、ハンブルグ港を4月30日に出港し、ロッテルダム(オランダ)、ゼーブルッヘ(ベルギー)、ルアーブル(フランス)、サウサンプトン(イギリス)を巡るファーストクルーズに就く予定です。また、5月5日から8日の間、ハンブルグで開催される第827回Hamburg Port Anniversary(ハンブルグ開港祭)にて、5月7日にAIDAprimaの命名式(Christening Ceremony)が行われ、欧州でお披露目されます。
また、2番船については、今回竣工したAIDAprimaの建造を通じて得た知見、反省を十分に活かして、全体工程の最適化と工法の改善によって建造を加速します。
AIDAprimaは、総トン数約12万5,000トンで、全長300m、18のデッキを有する大型客船です。船内には、開放型3層吹き抜け多目的シアター、レストラン、バー、ショップ、サウナ、ディスコ、カジノなど数多くのパブリックスペースとビール醸造設備を有し、最上層には、2ヶ所のプール設備に大型フォイルドーム天井を採用し、そのうち1ヵ所にウォータースライダー設備を備えるほか、アイススケートリンクも持っています。総客室数は1,643室でAIDAブランドの客船としては最大を誇ります。
さらに、クルーズ客船向けでは世界初となる当社独自の「三菱空気潤滑システム(MALS:Mitsubishi Air Lubrication System)」※1を搭載し、燃費性能を向上させています。その他、ポッド推進装置※2、LNG(液化天然ガス)燃料供給装置、最新の排ガス浄化装置、排熱利用によりエネルギー消費を抑えた空調システムなど、世界最先端の省エネ技術、自動化・省人化技術を採用しながら、安全性を兼ね備えた環境技術を結集する次世代の客船で、アイーダ独自のクルーズ体験を提供するためのさまざまな仕様が盛り込まれています。
※1 三菱空気潤滑システム
ブロア(送風機)を使用し船底から吹き出した空気が、細かい気泡となって船底をカーペットのように覆うことで、航行時の船体と水の抵抗を減らし、省エネ・CO2削減を実現する当社独自のシステム。
※2 ポッド推進装置
電動モータを内装するポッドと呼ばれる繭(まゆ)のような形状に取り付けられたプロペラを回転させる推進システム。燃料消費量を抑えるほか、ポッドそのものが回転するため操船性が良く、プロペラ軸がなく振動、騒音が小さくなります。また、船内配置自由度が向上するなどの効果があります。
<AIDAprimaの主要目>
・総トン数 : 約12万5,000トン
・全長 : 300m
・船幅 : 37.6m
・デッキ数 : 18デッキ
・総客室数 : 1,643室/乗客数3,286人(1部屋2人換算)
AIDAprima 出航風景
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