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◆ 2006年4月に稼働した流動床式ガス化溶融炉の長寿命・省エネ化をはかる
◆ 完工は2023年9月の予定、CO2排出量を年間約15%削減へ
三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC、社長:菱沼 隆之、本社:横浜市西区)は、北海道の釧路市など6市町村で構成される釧路広域連合から、一般廃棄物焼却施設「釧路広域連合清掃工場」(釧路市高山30)の基幹的設備改良工事を受注しました。処理能力240トン/日の流動床式ガス化溶融炉(注1)設備を改修し、長寿命・省エネルギー化をはかります。受注額は39.93億円(税込)、完工は2023年9月を予定しています。
同広域連合は、改正地方自治法の定めに基づき2002年に発足。現在は釧路市、釧路町、厚岸町、弟子屈町、鶴居村、白糠町の可燃ごみ処理に関する事務を手掛けています。清掃工場の施設は、三菱重工業の設計施工により2006年3月に完成、4月に稼働したものです。MHIECが90%出資する釧路エコクリエイション株式会社が、15年間の運転・維持管理長期包括委託を受託しています。処理能力120トン/日の流動床式ガス化溶融炉2基および関連設備で構成され、4,600kWの発電能力を備えています。
今回受注した基幹的設備改良工事では、経年的に劣化した受入供給設備、燃焼・溶融設備、燃焼ガス冷却設備、排ガス処理設備などを対象に主要機器の更新などを行います。また、各種電動機に高効率モーターやインバーターを採用することにより省エネ化。さらには、ダイオキシン分解機能を付加したハイブリッドバグフィルタ(注2)および脱硝設備の低温触媒採用による熱回収率の増加をはかることにより、CO2排出量を年間約15%削減し、地球温暖化抑制にも貢献します。今回の受注は、MHIECグループが運転・維持管理長期包括委託を受託した清掃工場で初めての基幹的設備改良工事となります。
一般廃棄物焼却施設を長寿命化するとともに温暖化対策も施す改良工事は増加傾向にあります。加えて、国が2010年度に関連する交付金支援制度(注3)を創設したことで、さらに活発化しています。
MHIECは、三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく、建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしています。
MHIECは、今回の受注とこれまでの実績をベースに、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらに維持管理費などを含めたL.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大をはかっていきます。
- 1流動床式ガス化溶融炉は、ごみを前行程の流動床式ガス化炉により低酸素状態で可燃性のガスと炭化未燃物に熱分解(乾留)。これらのガスと炭化未燃物を後行程の燃焼溶融炉に投入し、一気に燃焼溶融させることで、ガラス状の溶融スラグに減容リサイクル素材化できる炉です。1990年代のダイオキシン・環境問題深刻化を受け、期待の次世代焼却炉として実用化されました。
- 2ハイブリッドバグフィルタは、バグフィルタ繊維に触媒をコーティングし、従来からの有害物質除去機能を維持しつつ、ガス状ダイオキシン類やNOx分解機能を付加し高機能化したものです。
詳細はこちら:製品情報_排ガス処理_ハイブリッドバグフィルタ - 3環境省が所管する廃棄物処理施設の有効利用と廃棄物分野の温暖化対策に向けた設備の改良事業に基づき、一般廃棄物処理施設の長寿命化と温暖化対策を推進する市町村に対して、二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(先進的設備導入推進事業)もしくは循環型社会形成推進交付金として事業費の1/2もしくは1/3が交付されます。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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