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高砂製作所の生産体制を強化
原子力タービンとG形ガスタービンを増産

発行 第 4582号
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 三菱重工業は、発電用タービンの主力生産拠点である高砂製作所で、二つの大型設備投資を行う。一つは、原子力タービン※1の品質および信頼性をより一層向上させるため、専用工場を新設する。いま一つは、ガスタービンの生産を、従来のF形(M501F/M701F)から、受注が急増しているより高効率なG形(M501G/M701G)を中心とした体制に切り換えるため、生産能力を増強する。設備投資の総額は約250億円。

 原子力タービン専用工場の建設は、その構成部品であるローター※2および鍛造翼※3の加工・組立などを一貫して行うことにより、各工程でのより高い品質の確保と、効率化による生産能力の拡大を実現するもの。今後の需要増加が見込まれる世界最大級の70インチ級翼を採用した高性能・大型タービンの生産もこの専用工場で行う。
 設備投資は今後3年にわたり行い、2010年度末には原子力タービンの国内外での更新と、新設プラント向け需要に対応した新しい生産体制を確立する。

 ガスタービンの生産能力増強では、大物部品の内作能力の強化に向けて工場を増設、車室※4加工機をはじめとする最新の加工設備を多数導入し、生産ラインの一貫整流化による大幅な工期短縮と工数低減をはかる。各設備の導入完了は2009年度の予定。これにより、G形の年間生産能力を高め、F形を含めて年間30基のガスタービン生産を可能とする。

 原子力タービンは、原子力発電設備の中核機器。当社は、現在国内で稼動中の加圧水型(PWR)発電設備23基すべてにタービンを納入しているほか、近年ではスロベニア向けなどの輸出も含め、出力ベースで2,000万kW以上の製作実績を有する。
 一方のG形ガスタービンは、タービン入口温度1,500℃級で、世界最大級の出力と熱効率を誇る最新鋭機種。最新の空力・冷却設計技術や耐熱材料技術を融合し、大容量、高効率を実現するとともに、蒸気冷却式燃焼器の採用で、極低NOx(窒素酸化物)を実現しており、国内外で50基以上の受注実績を持つ。

当社は今回の設備投資を通して、原子力タービンおよびガスタービンの一層の高品質・高性能化をはかるとともに、製品競争力も強化し、国内外で積極的な事業を展開していく。
※1   原子力タービン=原子力発電用蒸気タービンのこと。
※2   ローター=回転体であるタービンの軸に相当する部分。ローターに翼(ブレード)を植え付けることにより、タービン本体が組み立てられる。
※3   鍛造翼=素材を加熱し、型打ちする方法によって製作される翼。
※4   車室=タービン本体を収める鋼鉄製の容器。



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