Press Information

スペイン向け大型排煙脱硫装置を受注

Print

 三菱重工業は、スペインの重機械メーカー、デューロ・フェルゲーラ社(Duro Felguera, S.A.)と共同で、同国の大手電力会社イベルドローラ社(Iberdrola Generacion, S.A.U.)から大型排煙脱硫装置を受注した。当社は2006年6月にもイベルドローラ社から大型装置を受注しており、スペイン向け排煙脱硫装置の受注は今回で10基目となる。納期は2009年7月の予定。

イベルドローラ ラダ発電所
 受注した大型排煙脱硫装置は、スペイン北部に位置するラダ(Lada)発電所に納入する。2008年1月から発効する排ガスの新EU規制※1へ対応するもので、同発電所の石炭焚きボイラー(35万kW×1基)から排出されるガス全量(1時間当たり130万Nm3)の脱硫処理を行う。脱硫率は96%。

 今回の契約は土建工事を含むフルターンキー方式で、当社はこのうち、排煙脱硫装置の基本設計および主要機器の供給を担当。デューロ・フェルゲーラ社は詳細設計のほか、周辺機器の供給や土建・据付け工事を手掛ける。取扱商社は三菱商事。

 当社の排煙脱硫システムは、排ガスと吸収液の接触効率を向上させる液柱塔※2を採用し、高い硫黄酸化物(SO2)吸収性能を達成したのが特徴。今回の受注は、この優れた性能に加え、昨年受注したイベルドローラ社のベリージャ(Velilla)発電所2号機向け実績や、スペイン国内での豊富な運転経験などが高く評価されたことによる。

 環境規制が世界的に厳しくなるなか、排煙脱硫装置の市場は、新たな排ガス規制に踏み切る欧米に中国なども加わって著しい拡大を見せる一方、吸収性能に対する要求も急速に高まっている。当社は今後も、市場のニーズを取り込みながら、装置の高度化に取り組むとともに、さらに積極的な営業活動を展開していく。

※1 新EU規制

SO2排出量を従来の半分である400mg/Nm3(新規施設は200mg/Nm3)以下、とすることを求める内容が盛り込まれる見通し。
   
※2 液柱塔方式= 石灰石スラリを吸収塔下部から噴水のように吹き上げ、上昇中と下降中の2回気液(排ガスと石灰石スラリ)を接触、反応させてSO2を除去する方式。従来方式より簡単な構造で、高いSO2除去性能を確保できるのが特徴。


mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: