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寧夏発電集団の傘下企業へ1,000kW風車の技術を供与

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 三菱重工業は、中国の電力会社、寧夏発電集団傘下の呉忠儀表股分有限公司に対し、風力発電設備の技術を供与することで合意し、契約を締結した。対象となるのは定格出力1,000kW風車「MWT-1000A」の製造技術。旺盛な電力需要への対応と環境への配慮から高性能の風力発電機技術を必要としていた中国側企業と、急成長する同国風力発電機市場への参入の足掛かりが欲しかった当社との思いが一致したことによる。

風力発電設備 MWT62/1.0(MWT-1000A)
 寧夏発電集団は2003年6月設立の中堅電力会社。火力発電132万kW、風力発電16万2,000kWを擁し、風車の製造設備も保有している。また、技術供与先である同社グループの有力企業、呉忠儀表股分有限公司は中国の大手工業用バルブメーカー。ともに、同国内陸部の寧夏回族自治区に本拠を構える。

 寧夏回族自治区のある内陸部は、豊富な風力資源に恵まれる一方、丘陵地帯が多く、大型風力発電設備の輸送にとっては厳しいエリア。そのため、今回の技術供与の対象として、1,000kW級の中容量風車が選ばれた。
 親会社の寧夏発電集団は現在、自社のウインドファーム建設を計画しており、呉忠儀表股分有限公司が新たに生産する1,000kW風車をこれに導入するだけでなく、他の電力会社のウインドファーム向けにも販売していく。

 MWT-1000Aは、このクラスで世界最高レベルの発電性能を達成し、すでに世界で700基以上が運転中のベストセラー機。ブレードの構造や形状に工夫を施すことにより、低風速でも高性能な発電を実現し、年平均風速毎秒6mの場所において、従来機(MWT-1000)に比べ発電性能を約20%向上(年間総発電量で30万kWh以上増加)させている。
 その高性能性が高く評価され、2004年には日本経済新聞社主催の「日経優秀製品・サービス賞」で優秀賞(環境分野)を受賞。また同年、日本機械工業連合会が主催する「優秀省エネルギー機器」においても「日本機械工業連合会長賞」を受賞している。

 中国の風力発電累積導入量は258万8,000kWで世界6位(2006年末現在。日本は13位)。新規導入量も年間133万4,000kWで世界5位(同。日本は12位)となっているが、同国政府は今後も2008年北京五輪を控え、年間200万kW超のペースでこの分野を伸長する方針。2006年1月に再生可能エネルギー法を施行したのもその一環で、風力発電の導入目標として、2010年500万kW、2020年3,000万kWを掲げている。

 当社は、今回の協業確立を機に、世界の風力発電をリードする有力市場へ成長しつつある中国で一層積極的な事業展開を行っていく。

 


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