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原子力輸出部を設立

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 三菱重工業は7月1日付で、原子力事業本部に「原子力輸出部」を新設する。原子力発電を再評価する機運の世界的な高まりを背景に、今後、一層の本格化が予想される新規原子力発電プラント商談への機敏な対応をするのが狙い。併せて、既設プラント向け取替用コンポーネントの輸出サービス事業の拡大に取り組むなど、原子力発電用機器のグローバルな輸出活動全般を統括する戦略的な営業・マーケティング部門として機能させていく。

 新規の原子力発電プラントについては、当社は、米国向けに世界最大級(170万kW)の加圧水型(PWR)原子力発電設備US-APWR※1を投入する一方、フランスのAREVA Groupと共同で、電力需要や送電網などの条件から中型炉の導入が最適な地域向けに、発電出力110万kW、3ループ方式の第3世代型PWRの開発を進めている。

 このうち、US-APWRについては、米テキサス電力が3月に採用を決定したほか、引き続き他の米国の電力会社からも照会が相次いでいる。また、中国をはじめとする他地域での商談も活況を呈しており、AREVAとの共同開発炉の営業活動についても軌道に乗り始めるなど、大型案件が目白押しの状況となっている。新設の原子力輸出部は、このような世界的な原子力発電プラント市場の興隆にスピーディーに対応していく。

 既設原子力発電プラント向け機器の輸出については、当社はこれまで、欧米や中国など世界の主要な市場に対し、取替用の蒸気発生器(SG)や上部原子炉容器、さらには制御棒駆動装置やタービンなどの主要コンポーネントを多数供給してきた実績を持つ。この分野は今後も、欧米市場を中心に、旺盛な需要が続くと見られることから、原子力輸出部を中心とした積極的な営業を展開していく。

 原子力業界では世界規模でメーカーの合従連衡が進み、各社とも戦略的、機動的な取り組みが求められているが、原子力輸出部は、海外企業との戦略的なアライアンス構築に向けた活動も担っていく。

 今回の原子力輸出部の設立は、US-APWRの米国市場への拡販を目的とした2006年7月の米国現地法人MNES(Mitsubishi Nuclear Energy Systems, Inc.)の設立や、それを技術面から後押しする同年9月のAPWR推進室の設置に続く取り組み。当社はこれらにより、原子力営業・マーケティング部門の機能・体制を強化しつつ、活発化する原子力発電市場での戦略的な事業展開を加速していく。

※ US-APWR=

当社が手掛ける改良型PWR(APWR、153万8,000kW)をベースに、米国の顧客ニーズを取り入れて大幅な経済性向上を可能にした大型炉で、世界最高レベルの熱効率(39%)、プラント建屋容積の低減(約20%ダウン)、さらに24ヵ月連続運転などを実現する。



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