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ブラジル電力公社向け上部原子炉容器を受注

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 三菱重工業は、ブラジル電力公社のエレトロニュークリア社(Eletrobras Termonuclear S.A. Eletronuclear)からアングラ原子力発電所1号機(PWR)の取替用上部原子炉容器(RVH)1基を受注した。日本のメーカーがブラジル向け大型原子力設備を受注するのは今回が初めてで、引渡しは2010年4月の予定。

取替用上部原子炉容器
 今回受注した取替用RVHは、リオデジャネイロの西方130kmに位置する同社所有のアングラ原子力発電所1号機に設置される。同原子力発電所は電気出力65万7,000kW、1980年代半ばに営業運転を開始したプラントで、今回のRVH取替は、信頼性と経済性を向上させるのが狙い。
 エレトロニュークリア社は、ブラジル政府と国立銀行が株式の60%超を保有するブラジル中央電力公社(Centrais Eletricas Brasileiras S.A.)の子会社。原子力発電所はアングラ1号機のほか、2号機も所有、運転している。

 取替用RVHは、低合金鋼製の大型機器で、製作は当社神戸造船所が担当する。

 ブラジルでは、経済規模の拡大に伴い、電力の安定供給が課題となっており、環境問題や安全保障の観点から原子力発電の再評価が急速に進んでいる。それに伴い、新規原子力プラントの建設機運が高まる一方、既設プラントでは寿命延長計画に基づく大型設備の取替商談が活発となっている。今回のRVH取替もその一環で、同国の安定的な電力供給に貢献する。

 当社は世界の主要な原子力市場に対し、独自に主要機器の拡販に取り組んできており、取替用RVHでは、米国向け15基をはじめすでに多数の輸出実績を持つ。今回の成約は、これらの豊富な実績と、品質・納期を含めた高度な技術力が高く評価されたことによる。

 ブラジルをはじめとする南米各国は、世界的な原子力再評価機運の高まりを背景に、原子力発電拡大に積極的となりつつあるが、当社は今回の受注を足掛かりとして、今後も、この地域の客先との良好な関係を維持・発展させながら、一層の事業拡大をはかっていく。

 

 


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