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US-APWR原子力発電設備 米国原子力規制委員会が標準設計認証(DC)審査を開始

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 三菱重工業が、昨年末に米国原子力規制委員会(NRC)に申請した米国向け170万kW級の最新型加圧水型軽水炉(US-APWR)の標準設計認証(DC)審査が開始された。炉型の標準設計についてNRCから認証を受けるもので、日本企業によるDC申請が受理され、NRC による審査が行われるのは今回が初めて。審査期間には3年強が見込まれるが、US-APWRには、当社が手掛けた国内23基に上る加圧水型軽水炉(PWR)の建設・運転実績に基づく設計が取り入れられ、高い安全性と信頼性を有することから、順調に審査が進んでいくものと期待している。

 DC申請書は約20,000ページにも及ぶ膨大な技術書類からなるが、NRCより、その完成度の高さが認められ、2006年5月のNRCとの事前協議開始からわずか約1年半という短期間で申請を果たし、今回のDC審査開始に漕ぎ着けた。

 US-APWRは、米国ルミナント電力(旧テキサス電力、本社:テキサス州ダラス)が採用を決定している。これを受け、当社は現在、運転建設認可(COL)の申請準備作業の支援を進めているが、今回のDC審査開始は、このUS-APWRプロジェクトが建設実現に向け着実に進捗していることを示している。また、US-APWRには、ルミナント電力以外の電力会社からも強い関心が寄せられており、今回の審査開始は、米国での当社原子力事業の展開に大きな弾みを与えるものとなる。

 US-APWRは、日本原子力発電(株)敦賀3、4号機向けに建設準備工事中の改良型PWR(APWR、153万8,000kW)をベースとして、米国の顧客ニーズを反映させた最新型原子炉。世界最高レベルの熱効率(39%)やプラント建屋容積の約20%低減の達成、さらに、24ヵ月連続運転の実現などにより、大幅な経済性向上を可能にしている。

 当社は、US-APWRの米国への市場投入を早期に実現するため、2006年7月に100%出資の現地法人 Mitsubishi Nuclear Energy Systems, Inc.(MNES)を米国ワシントンD.C.に設立、さらにダラス近郊にも事務所を立ち上げて、ルミナント電力との連携を深めている。

 米国では地球温暖化防止や原油価格の高騰などを背景に、原子力発電の重要性が高まり、2030年頃までに新設プラント数十基の需要が見込まれている。当社は今回のDC審査開始を機に、原子力発電設備の新設を検討する全米の電力各社に対し、US-APWRの営業活動を一層積極的に展開していく。

 


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