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インドネシアの50万kW級天然ガス焚きGTCC発電設備が運転開始
ジャワ島北西岸で国営PLN社が運営するムアラカラン火力発電所

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◆ 首都中心に西ジャワ一帯の旺盛な電力需要に応え経済成長を支える
◆ 現地国営土建会社WIKAとフルターンキー方式でEPC取りまとめ

ムアラカラン火力発電所
ムアラカラン火力発電所

三菱重工業は、インドネシアの国営電力会社であるPT. PLN (Persero)(PLN社)がジャワ島の北西岸にあるムアラカラン(Muara Karang)火力発電所で建設していた50万kW級の天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を完工、このほど商業運転を開始しました。“コロナ禍”を受けたさまざまな活動制限を克服して、納期を1ヵ月以上前倒しして契約達成したものです。

ムアラカラン発電所は、首都ジャカルタの北西約10kmに立地しており、GTCC設備は、インドネシア政府が進める3,500万kWにおよぶ電源整備計画を受けたプロジェクトの一環として同発電所の既存設備に隣接して完成したもので、同国で最高水準の性能を有しています。同設備は、ジャカルタを中心とする西ジャワ地域一帯の旺盛な電力需要に応え、都市交通機関であるMRT(Mass Rapid Transit)やLRT(Light Rail Transit)といった同国最先端のインフラ設備の開発など、インドネシアの持続的な経済発展を支えていくものです。

今回の完工・運転開始に当たって、PLN社西ジャワ総建設所のラトナ(Mrs. Ratna)所長は「ムアラカラン発電所は、インドネシアの首都圏に電力供給を行う重要な発電所です。コロナ禍におけるさまざまな活動制限があったなか、予定より1ヵ月早く商業運転開始を達成した三菱重工グループの貢献に心から感謝します」と述べています。

また三菱重工グループの現地法人PT. Mitsubishi Power Indonesiaの社長である石倉 一樹は次のように述べています。「インドネシアでは、インフラ整備、経済発展と同時に環境対策も優先すべき課題となっており、安定的かつ環境に配慮した電力供給へのニーズが高まっています。従来の石炭火力発電所に比べCO2排出量が大幅に削減となるインドネシア最高効率のガスタービンを通して、同国の電力供給の強化と持続可能な発展を支えていきます」。

このGTCC発電設備は、現地の国営土建会社であるPT. Wijaya Karya (Persero) Tbk.(WIKA)ならびに当社がフルターンキー方式でEPC(設計・調達・建設)取りまとめを受注。当社はM701F形ガスタービンを中核に排熱回収ボイラーや蒸気タービンを供給し、発電機関連は三菱電機株式会社が手掛けました。また運転開始後は、遠隔監視や常駐技師の派遣を通じてGTCC発電設備の保守・管理を支援します。

当社は、インドネシア市場向けに1971年に蒸気タービンを初めて出荷して以来、現在までおよそ50年にわたり緊密な関係を築いており、当社納入設備の総発電能力は12GWに達しています。このうち、M701F形ガスタービンは、2006年に2基をチレゴン(Cilegon)GTCC発電所に初めて納入。その後、2011年にムアラカラン発電所、2012年にタンジュンプリオク(Tanjung Priok)発電所、2018年に“Jawa-2プロジェクト”にも、それぞれ2基納入した実績があり、今回の設備は2019年から建設工事を手掛けてきたものです。

三菱重工は、新設発電システムの普及だけでなく、今回のような既存発電設備に隣接しての増設対応、既存設備の改修・性能向上やサービス事業にも力を注いでいます。今後も世界各地で電力供給の安定化や発電の効率化を支援することにより、脱炭素化の推進とグローバル規模での経済発展および持続可能性の高いエネルギー創出に貢献していきます。


Tags: エナジートランジション,カーボンニュートラル
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