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南フランス・核融合実験炉イーターのダイバータ向け外側垂直ターゲット6基を受注 高難度製作物の量産化技術で、核融合エネルギーの実現に貢献

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◆ 全54基のうち初号機~6号機の製作を担当、2024年度中に完成および納品予定
◆ 同じく核融合実験炉イーター向けTFコイルについても、これまでに4基を出荷済み

ITERのダイバータ向け外側垂直ターゲット

三菱重工業はこのほど、南フランスで建設中の核融合実験炉イーター(以下、ITER)(注1、2)において用いられる、ダイバータの構成要素の一つである外側垂直ターゲット6基の製作を、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(量研)から受注しました。これまで培った高難度製作物の量産化技術が評価され、全54基のうち初回製作分(初号機~6号機 )を当社が担うもので、2024年度中に順次完成および納品の予定です。

ダイバータは、核融合反応で生成される炉心プラズマ中のヘリウム(He)や燃え残った燃料、不純物を排出し、高熱負荷・粒子負荷を除去してプラズマを安定的に閉じ込めるために必要な、トカマク型装置を採用する核融合炉における最重要機器の一つです。日本が調達する外側垂直ターゲットのほか、欧州が製作を担うカセットボディや内側垂直ターゲット、ならびにロシアで製作されるドームの4要素で構成されます。

ダイバータの熱負荷は最大で20MW/m²に達します。これは、小惑星探査機が大気圏突入の際に受ける表面熱負荷に匹敵し、スペースシャトルが受ける表面熱負荷の約30倍に当たります。構造上プラズマに直面する外側垂直ターゲットは、プラズマからの熱負荷や粒子負荷などに晒される厳しい環境で使用されることから、その構造体は非常に複雑な形状を有しており、高精度の製作・加工技術が要求されます。

三菱重工は、同じくITER向けの主要機器であるトロイダル磁場コイル(TFコイル)についても、全19基中5基の製作を受注。これまでに4基を出荷済みで、現地にてITER機構による本体への組み込み作業を進めています(注3)。引き続きダイバータ製作にも取り組むことで、世界の持続的発展のため非常に重要な技術開発に取り組むITER計画をより積極的に支援し、核融合エネルギーの実現に向けて貢献していきます。

  • 1核融合は太陽が輝き続けられるエネルギー源であり、地上での核融合の実現を目指して、重水素や三重水素などの軽い原子核がプラズマ状態で融合し、ヘリウムなどのより重い原子核になる核融合反応を利用します。燃料となる重水素、三重水素の原料であるリチウム資源は海水中に無尽蔵にあり、核融合エネルギーはCO2を発生しません。そのため、エネルギーおよび環境問題を根本的に解決すると期待されています。
  • 2ITER計画は、核融合エネルギーの実現に向け、科学的・技術的な実証を行うことを目的とした大型国際プロジェクトです。日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドの7極が参加しており、2035年の核融合燃焼による本格運転開始を目標に、ITERの建設をフランスのサン・ポール・レ・デュランス市で進めています。日本はダイバータやTFコイルをはじめ、ITERにおける主要機器の開発・製作などの重要な役割を担っており、量研がITER計画の日本国内機関として機器などの調達活動を推進しています。
  • 3当社が量研から受注したITER向けTFコイルについて、詳しくは以下のプレスリリースをご覧ください。
    https://www.mhi.com/jp/news/210524.html

Tags: カーボンニュートラル,ITER,核融合エネルギー
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