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◆ 将来的な電気推進船の普及により、CO2排出量の削減に加え、船員の作業負荷軽減を実現
◆ 電気推進船の実航行に基づくフィードバックの活用による、システム品質の維持・向上にも期待
株式会社e5ラボ(社長:一田 朋総、本社:東京都千代田区、以下、e5ラボ)および三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は、船舶の未来像として両社が普及を目指す標準ハイブリッド電気推進船“ROBOSHIP”のデザインを、本田重工業株式会社(本社:東京都千代田区、以下、本田重工業)が建造する総トン数499トンのバイオマス燃料運搬船(以下、本船)に提供することで合意しました。将来的な“ROBOSHIP”の普及により、内航船業界のCO2排出量削減が期待できるほか、船員の作業負荷軽減を可能とします。
“ROBOSHIP”は、プロペラ、モーター、配電盤、蓄電池、発電機などの電気推進に関わるハードウェアと、それらを安全・効率的に制御するソフトウェアをパッケージングした標準システムを採用しており、総トン数749トンの貨物船までカバーします。化石燃料を必要とする従来のディーゼル主機を持たず、大容量蓄電池と発電機とのハイブリッドで推進モーターを駆動し、三菱造船製の高性能ツインスケグ船型の採用により推進馬力を従来船より20%以上削減したことで、航行中のCO2排出を削減するとともに、荷役、離着桟、入出港など港湾でのオペレーション時におけるCO2フリーな航行を実現します。発電機の燃料をLNG(液化天然ガス)、水素、アンモニア、バイオ燃料、合成燃料といった環境に優しい燃料に切り替えることで、航行を含む全てのオペレーションをCO2フリー化することも可能です。
また、騒音・振動の低減による船内快適性向上、高度な経験と知識を持つ技術者による煩雑なディーゼル主機メンテナンスの削減、操船性向上による離着桟オペレーション負荷低減などのメリットもあり、船員の作業負荷低減を実現。さらに将来的には、標準化された同システムを搭載する船舶を大量建造することで低コストを実現し、電気推進船の普及を促進します。普及が進むにつれ、実航行に基づいたフィードバックを蓄積できるようになり、システム品質の維持・向上が期待されます。
本船は、本田重工業が旭タンカー株式会社(本社:東京都千代田区)向けに建造するものです。2023年4月に完成・引き渡しが行われた後、相生バイオエナジー株式会社向けのバイオマス運搬に従事する予定です。Marindows社が開発するMarindowsプラットフォームを搭載する本船は、通信とデジタルの力で内航船業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献します。
e5ラボは、船舶の電気推進化・デジタル化を目的に、海運会社および商社の計4社が共同設立した海運業界のソリューションプロバイダーで、船舶の安全運航、乗組員の働きやすい環境づくり、そして地球環境保全の実現を目指しています。2021年3月には、海上デジタルプラットフォームを提供して乗組員の労働環境改善を目指す新会社「Marindows株式会社」を設立しました。
一方、三菱造船は、目指す成長戦略「海洋Future Stream」において、再生可能エネルギーと炭素循環による「海の脱炭素社会」、自律化・電化による「海洋空間有効活用社会」を描き、海に関わるイノベーションの「知恵出し」とその「カタチ化」の実現を掲げています。これまで三菱重工グループとして蓄積してきた同社の海事関連技術と三菱重工の総合技術を展開し、海洋システムインテグレーターとして提供することで、顧客や社会が抱える課題の解決を目指しています。
e5ラボと三菱造船は、海運業界が抱える課題解決に取り組むソリューションプロバイダーを目指し、今後もESG(環境・社会・ガバナンス)を重視するステークホルダーとの価値共創を担っていきます。
三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
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