Press Information

三菱造船、海上統合デジタルプラットフォームの構築を目指すMarindows社へ出資
海洋システムインテグレーターとして電化・自律船の開発を先導

Print

◆ 電化・自律化が進む中小型の内航船市場から参入、標準電気推進船の事業化や運航支援システムの普及促進を加速
◆ リアルとデジタルの融合による新しい価値創造で、両社にとって “Win-Win”の関係を構築

三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:北村 徹、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は、情報通信革命の力による海上統合デジタルプラットフォームの構築を目指すMarindows株式会社(CEO:末次 康将氏、本社:東京都千代田区、以下、Marindows社)へ出資を完了しました。エネルギー変革期の今、電化・自律化分野から海洋分野におけるカーボンニュートラル社会実現に向けた取り組みを加速し、リアルとデジタルの融合による新しい価値創造につなげるとともに、両社にとってメリットの多い“Win-Win”の関係を構築します。

内航船業界の電化・自律化が中小型船市場を中心に広がりを見せる中、今回の出資を通じて中小型の内航船市場、漁船市場、プレジャーボート市場などとネットワークを持つことで、三菱造船が取り組みを進める標準電気推進船の事業化およびリアルタイム情報を活用した安全かつ効率的な運航支援システムによる電化・自律船の普及拡大につなげます。

Marindows社は、船舶の電気推進化・デジタル化を目的に海運会社・商社の計4社が共同設立したe5ラボにより2021年3月に設立されました。「情報通信革命で、海事産業が抱える安全性・生産性・環境性の課題を解決し、海事産業を21世紀最大の成長産業へと変革する」ことをビジョンに掲げ、同社が提供する海洋OS「Marindows」をプラットフォームに、さまざまなアプリケーションの提供を通じて船員を中⼼とする⼈材の労務環境を改善することを目指しています。2022年から海上ブロードバンドが利用開始となることに伴い、従来は通信環境の脆弱性といった理由で実現できなかった船陸通信や船員支援のリアルタイム化が可能となる見込みです。

一方、5,000隻を超える建造実績を誇る三菱造船は、客船・フェリー・海洋調査船・巡視船などの他、石炭運搬船、原油タンカー、液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)などエネルギーキャリア建造のパイオニアとして新技術を積極的に導入しています。近年では、海事に関するエンジニアリングとサービスビジネスでイノベーションを創造する海洋システムインテグレーターとして、“製品を造って売る”という従来の造船ビジネスの枠組みを超えた取り組みを進めているところであり、今回の出資を通じて顧客や社会の要請に引き続き応えていくとともに、「海洋Future Stream」実現に向けた課題の解決に取り組んでいきます。

三菱造船の「海洋Future Stream」について

三菱造船は、船舶・海洋分野における2050年の将来社会ビジョン「海洋Future Stream」の中で、「海洋空間有効活用社会」と「海の脱炭素社会」を描き、そこからバックキャストによって海に関わるイノベーションの「知恵出し」とその「カタチ化」を実現していきます。
「海洋空間有効活用社会」では、人と海の営みに寄り添い、誰もが安心して豊かに暮らせる社会を実現します。そのために、造船の枠組みを超えたデジタル技術、サービス事業を通して循環型社会を構築します。
「海の脱炭素社会」では、船舶の脱炭素化を進め、洋上を活用した再生可能エネルギー利用・CO2回収を促進します。そのために、社会の脱炭素化を海事産業から推進します。


Tags: 社会インフラのスマート化,船舶,DX
mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: