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◆ 産学共同覚書(MOU)を踏まえ、2020年度下半期からの検討結果をまとめる
◆ 木質ペレットおよび同国内で廉価かつ安定的に調達可能なバイオマス燃料を、混焼燃料として選定
◆ 既設火力発電設備のパイトン1号機とスララヤ2号機でのバイオマス高混焼率混焼に必要な施策を検証
三菱重工業は、インドネシアの火力発電所におけるバイオマス燃料の混焼普及に向け、具体的なアプローチ手法についての提言を、このほど同国政府に提出しました。同国の国営電力会社であるPT. PLN(Persero)(PLN社)および関連子会社であるPT. Indonesia Power、PT Pembangkitan Jawa-Baliならびに国立バンドン工科大学(Bandung Institute of Technology:略称ITB)との産学共同による覚書(MOU:Memorandum of Understanding)(注)に基づき、2020年度下半期から検討してきた結果をまとめたものです。
インドネシア政府は、2025年までに一次エネルギーに占める再生可能エネルギー比率を23%に高めるという目標の達成に向けてエネルギー政策を進めており、2060年までにカーボンニュートラルを達成する方針を掲げています。この方針を踏まえた今回の提言では、火力発電の電源構成比率が高いインドネシアでバイオマス混焼発電を促進することが、目標を実現するために最も即効性があり優れている点を述べた上で、バイオマス混焼普及に向けた課題や必要な取り組みを整理しました。
MOUに調印した5者は、今回の提言策定プロセスにおいて、多数の火力発電所を運営するPLNグループの知見や、三菱重工のバイオマス混焼技術、ITBが中心となって進める同国内における政策分析およびバイオマス燃料の市場調査結果を踏まえて、適切なバイオマス燃料の選定および設備改造範囲の検討、経済性評価を実施しました。既存設備への適合性、経済性および安定的に調達可能であるという観点に基づき、木質ペレットおよびインドネシア国内で廉価で安定的に調達可能なバイオマス燃料を選定し、サプライチェーンの調査を行うとともに、設備改造範囲については、ジャワ島の東西にそれぞれ位置するパイトン(Paiton)発電所1号機ならびにスララヤ(Suralaya)発電所2号機の既設発電設備を対象に検討しました。それらの調査・検討結果を踏まえ、同国におけるバイオマス混焼普及のために必要な具体的なアプローチ手法を提言しています。
今回の提言を踏まえて、三菱重工グループの現地法人PT. Mitsubishi Power Indonesiaの社長である石倉 一樹は次のように述べています。「インドネシアがクリーンエネルギー導入目標を達成するにあたり、さまざまなエネルギー源を体系的に調査することが求められます。バイオマスは低炭素かつ再生可能な燃料であり、インドネシアにおける再エネ資源として有効に活用できるため、近い将来に同国のエネルギー転換を後押しできる可能性があります。当社は、より持続可能で安全なエネルギーをインドネシアにもたらす革新的な脱炭素ソリューションを探求する中で、このたびPLNグループおよびITBと協力できることを光栄に思います」。
今回の提言に基づき三菱重工は、潜在量および成分の観点から有力なバイオマス燃料について、総合研究所(長崎市)の設備で粉砕性・燃焼性試験を実施します。インドネシアの豊富な森林資源の持続的な活用、および現状廃棄されている農業残渣の活用を基盤としたバイオマス混焼の普及に寄与するとともに、今後も引き続き、日本・インドネシア両国政府、PLNグループ、ITBと連携してインドネシアの脱炭素化に貢献していきます。
- このMOU調印時には、三菱パワー株式会社が当社側の契約締結当事者であったことから、今回の提言にも三菱パワーが加わっています。
2020年10月のMOU調印に関するプレスリリースは次のとおり。
https://power.mhi.com/jp/news/20201015.html
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