CCUSにメタバースの世界観を取り込む検討を開始　アクセラレータープログラムを通じ、ベンチャー企業とともに

三菱重工業は、ベンチャー企業や事業会社などの協働を通じてカーボンニュートラル社会を促進させる「ESGアクセラレータープログラム」に協賛し、国内および世界各国から参加した約100社のベンチャー企業の中から、企業間データ管理プラットフォームなどを手掛けるZEROBILLBANK Japan株式会社（本社：東京都港区、以下、ZBB社）をパートナー企業として選定しました。今後はZBB社とともに、CO₂を回収して転換利用や貯留を行うCCUS（Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage）にメタバース（注1）の世界観を取り込むアイデアの具体化を進めていきます。

本プログラムは、株式会社三菱UFJ銀行（本社：東京都千代田区）ならびにベンチャー領域においてESG（環境・社会・ガバナンス）投資を行うインクルージョン・ジャパン株式会社（本社：東京都品川区）が共催したもので、2021年12月に開催されました。ESGの担い手としてベンチャー企業に注目し、ベンチャー企業、日本を代表する事業会社、ベンチャー・キャピタルを含めた投資家との協働を生み出すことで、社会・環境面のインパクトと経済的なリターンを両立する事業開発を加速することが狙いです。当社は、世界中で注目されるCCUSバリューチェーンをリアル・現実世界で実現するだけでなく、デジタル・仮想空間にまで拡張し得る技術を有するベンチャー企業を募集しました。

参加した約100社のベンチャー企業がスポンサー各社に向けアイデアを提案する中、当社は候補を40社に絞った上でZBB社を最終1社とし、MHI賞を授与しました。ZBB社は、中立性・公平性を担保して高度なセキュリティーを確保するブロックチェーン技術とスマートコントラクト（注2）の仕組みを活用して、デジタルデータをアセット（資産）として管理することで、未来に結びつく“ヒト・モノ・サービス”をつなぐことに強みを持ちます。ZBB社による今回の提案は、当社が日本アイ・ビー・エム株式会社とともに開発を進める「CO₂NNEX™」をベースに、ZBB社の強みを用いてデジタル空間にCO₂を利用するプロジェクトの“擬人化”などを実装し、あらゆる関係者にとって親近感が湧く世界観の構築を目指すことができる内容であり、当社の狙いと合致したものです。CCUSの世界観拡張に関しては、ZBB社以外とも理念を共有し、今後さまざまな方向性での検討を進めていく予定です。

今回の受賞に際し、ZBB社代表取締役の堀口 純一氏は次のように述べています。「栄誉ある賞に採択いただき、誠にありがとうございます。当社は、ブロックチェーン技術を活用したビジネスモデルやユースケース開発に強みを持っていますが、今回のアクセラレータープログラムではCO₂NNEX™を“Hack”することをコンセプトに、CO₂NNEX™で管理するデータの価値を最大限に高めるべく、ステークホルダー企業が持つ経営資源“ヒト・モノ・カネ・情報”の擬人化というUXをご提案させていただきました。今後進むであろうVR、AR、XRなどのメタバースやWeb3.0の世界観との連動も視野に入れながら、共創活動を推進させていただきたいと考えています」。（注3）

三菱重工は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを行っており、CCUSのデジタルグリッドCO₂NNEX™によりCO₂エコシステム構築を加速します。また三菱重工グループは、グループ全体のCO₂排出量ならびにバリューチェーン全体からのCO₂排出量を、それぞれ2040年までにNet Zeroとする「MISSION NET ZERO」を掲げ、CCUSをはじめとしたカーボンニュートラルに向けた取り組みを多様なアプローチから進めています。エネルギー供給側、需要側の両面における脱炭素化の推進に引き続き取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

• 1コンピューターやインターネット上に構築された、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスを指します。
• 2ブロックチェーン上で行われる、さまざまな取引行動を自動的に実行するプログラムのことです。
• 3UXはUser Experience、VRはVirtual Reality、ARはAugmented Reality、XRはExtended Realityの略です。