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日本財団-DeepStar連携技術開発助成プログラムに採択され、AIを活用するロボットシステムの研究開発を共同で実施
~海上プラットフォームの自律操業の実現に向けて~
~海上プラットフォームの自律操業の実現に向けて~
EX ROVR第二世代機 “ASCENT”
横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市)と三菱重工業株式会社(本社:東京都千代田区)は、「海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等推進に係る日本財団-DeepStar(注1)連携技術開発助成プログラム」に応募し、技術開発事業の執行団体である公益財団法人日本財団により採択されましたのでお知らせします。本プロジェクトは2022年6月1日から開始します。
採択されたプロジェクトは、「洋上施設におけるロボットを活用した危険等を予測する自動点検システムの開発」です。海上プラットフォームの巡回点検におけるリスクを低減させる手段として、無人化を可能にする多種多様なロボットの活用が検討されています。一方、各ロボットを一元化して扱うためには多数のシステムの管理が必要となり、取得したデータの管理も煩雑になります。横河電機では複数のロボットの管理を一元化し、さらに既存の制御システムとロボットとをシームレスにつなぐロボット管理プラットフォームの研究開発を進めてきました。今回のプロジェクトではこの研究開発の成果を生かしながら、沖合の特殊な環境に対応できる通信環境とロボットシステムを構築し、ロボットが取得した画像や音のデータを、AIアプリケーションを活用して、海上プラットフォームの操業に適したデータに変換します。
本プロジェクトにおいては、三菱重工業が4月に市場投入したプラント巡回点検防爆ロボット「EX ROVR(エクス ローバー)」の第二世代機"ASCENT"(アセント)を活用し、実証実験を行います。防爆性能(注2)を有するEX ROVRは、爆発性雰囲気となり得る状況下において昼夜を問わず点検作業を行い、作業員の安全性向上、業務効率化および設備稼働率の向上に貢献します。国際規格であるIECEx(注3)、欧州をはじめ世界で広く採用されているATEX(注4)および国内の防爆型式検定に合格済みであり、可燃性ガスのある危険場所(Zone1)において安全に使用することが可能です。
また、照明付きカメラを搭載した、6軸での動作が可能な6自由度(注5)防爆マニピュレーターの採用により、プラント内計器の複雑な配置に応じたさまざまな姿勢で近接・正面画像を撮影できるほか、ガス濃度の測定や音声の録音、熱画像の取得も可能です。さらに付属のウェブアプリケーションと組み合わせて活用することで、遠く離れた場所からでも点検スケジュールの運用管理や点検データの確認を行えるほか、プラントにおけるインシデント発生時には遠隔操作によりタイムリーな現場確認が可能で、プラント点検業務の効率化と安全かつ迅速な事態収束に貢献します。
横河電機は、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、自律操業が進んだ産業界の未来に向けてIA2IA(Industrial Automation to Industrial Autonomy)の歩みを進めています。ロボットは産業における自律化を実現するキーテクノロジーの一つです。横河電機と三菱重工業は石油・ガス・石油化学業界におけるロボット活用に関する協調契約を締結済であり、 本プロジェクトでは、さまざまな環境と状況に対応できるロボットシステムの研究開発に、三菱重工業と共同で取り組みます。
採択されたプロジェクトとその概要
洋上施設におけるロボットを活用した危険等を予測する自動点検システムの開発
<目的>
海上プラットフォームにおける点検業務の安全性を向上させるための技術開発
<背景>
現在、石油やガスを製造する海上プラットフォームにおいては、作業員が日々の巡回点検や緊急時の点検を行っているが、天候の影響を受けるうえに有毒ガス発生の可能性があることから、負担やリスクが伴う業務となっている。このため、ロボットの活用が期待されている。ロボットが取得した画像や音のデータは、そのままでは既存の制御システムを利用するプラントオペレーターが意味を解釈することができないため、プラントオペレーターにとって意味のある形式に変換する必要がある。また、陸上と異なり、公共の通信サービスの利用に制限がある海上プラットフォームにロボットを導入するには、プラント内で独立した通信環境とロボットシステムを構築する必要がある。
<方法>
- 海上プラットフォーム上で動作する、ロボットと制御システムを連携させるロボット管理プラットフォーム開発
- ロボット管理プラットフォーム上で動作するAIアプリケーション開発
- ロボット管理プラットフォームとロボット、制御システムから構成させるロボットシステム開発
- 三菱重工業社製ロボットEX ROVRを用いた実証実験
- 1DeepStar:国際的な海洋技術開発コンソーシアム。ヒューストンに拠点を置く世界の企業が参加しています。
- 2防爆性能:引火性ガスが充満する環境下において、機器自体が発する電気火花や熱などによる爆発や火災の危険性を抑える性能を指します。
- 3IECEx::爆発性雰囲気下で使用する機器の認証に関する国際システムで、その品質評価規定はIEC(国際電気標準会議)が作成した規格に基づいています。
- 4ATEX:IECExをベースに、爆発性雰囲気下で使用する機器および保護システムをEU(欧州連合)市場に投入するまでに適用しなければならない安全衛生上の必須要件および適合性評価手順について定めたものです。ATEXとIECExは同じ規格に沿っているため、技術的内容について基本的な違いはありません。
- 56自由度:自由度とは上下、左右、前後への動きができることを指しており、6自由度とは6軸の動きができることを指します。マニピュレーター先端を前後に傾ける、左右に首を振る、左右に傾斜する回転運動などが可能です。
【海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等推進に係る日本財団-DeepStar連携技術開発助成プログラム】
2021年12月に日本財団とDeepStarが締結した覚書 に基づき、日本財団とDeepStarが連携して海洋石油・天然ガス分野における脱炭素化等推進にかかる技術開発を日本財団の助成を受けて促進するものです。
本文中で使用されている会社名、団体名、商品名、サービス名およびロゴ等は、三菱重工業株式会社、横河電機株式会社、各社および各団体の登録商標または商標です。
三菱重工グループについて
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