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エジプトの大手石油精製会社ANRPCと水素燃焼技術を導入する契約を締結 精油プロセスで副生する水素ガスをボイラー燃料に有効活用へ

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◆ 既存の重油バーナーを水素・天然ガス焚きに更新することによりCO2排出を大幅に削減へ、水素専焼も視野に

調印式の様子

調印式の様子

三菱重工業はこのほど、エジプトのオイル&ガス企業大手であるアレキサンドリア石油精製・化学社(ANRPC:Alexandria National Refining & Petrochemicals Company)と、ANRPCに脱炭素化の目標達成に向けた高度な水素燃料転換技術のソリューションを提供するフルターンキー契約を締結しました。ANRPCは1999年に設立されたエジプト最大の石油精製会社で、このソリューションは、エジプトのガソリン供給量の30%を国内消費向けに供給している同社のアレキサンドリアの製油所に導入され、2023年末までに最大で水素100%の専焼が可能になる予定です。

本契約に基づき、当社は100トン/時の能力を持つ既存ボイラーの燃料転換ソリューションの設計、調達、建設および試運転を担当。効率的で安全な運転を確保するために、当社は最新の水素バーナー技術を提供するとともに高度な制御ソリューションも導入します。具体的には、石油精製プロセスに蒸気を供給する既設の天然ガス・重油焚きボイラーを天然ガス・水素焚きに改造。燃料の水素は、プロセス中の触媒改質器ユニットから副生するガスで、現状フレアスタック(余剰ガス焼却無害化装置)で燃やしているものを有効活用します。

今回の合意について、ANRPCの会長兼CEOであるサラ・ガベル(Salah Gaber)氏は次のように述べています。「当社は、年間2万2,000トンのCO2の排出量削減という実績を残しながら事業目標の達成にも貢献できる革新的な燃料転換ソリューション技術で、世界的リーダーである三菱重工グループと提携できることを嬉しく思います。燃料転換を通じて既存の従来型ボイラーを近代化することは、国家の持続可能エネルギー統合戦略の下でのエネルギー効率と脱炭素化というエジプトの野心的な目標を達成するための実践的かつ重要なマイルストーンです。三菱重工グループと協力してすべてのマイルストーンを達成し、プロジェクトをスケジュール通りに遂行できることを楽しみにしています」。

三菱重工グループの欧州現地法人である三菱パワーヨーロッパ(Mitsubishi Power Europe GmbH)のサービス統括責任者であるファルク・ホフマイスター(Falk Hoffmeister)は次のように述べています。「当社は、エジプトの大手石油精製企業であるANRPCと提携し、革新的な水素燃料転換技術ソリューションを提供することで、ANRPCのCO2排出量を削減できることを誇りに思います。将来の燃料である水素をANRPCの燃料ミックスに加えることで、コスト効率の達成を支援するために必要な柔軟性がもたらされます。今回の契約は、既存の火力発電システムを水素に転換する技術を開発し、脱炭素化の目標達成を支援するという三菱パワーの継続的な取り組みの一環です」。

三菱パワーヨーロッパで中東・北アフリカ地域担当社長のカリッド・サレム(Khalid Salem)は次のように述べています。「ANRPCの水素燃料転換プロジェクトは、エジプトのエネルギー産業にとって画期的なプロジェクトであり、オイル&ガス業界のリーダーであるANRPCと提携して、低炭素エネルギーのリーダーになるという同国の野心を実現できることを光栄に思います。COP27(注)に向け、エジプトは自国での水素関連産業振興を表明しており、ANRPCプロジェクトは特に重要なものとなります。三菱パワーヨーロッパは、今後もエジプトをはじめ、中東・北アフリカ地域のパートナーと協力し、脱炭素化の実現と持続可能な未来の実現に貢献していきます」。

三菱重工の水素燃焼技術は、最小限の改造で既存の火力発電所を脱炭素化することを可能にします。当社は、グループを挙げてカーボンニュートラル社会の実現に向けエナジートランジション戦略を推進しており、その一環で水素の製造から利用までのバリューチェーン構築を視野に水素関連技術の深耕に力を注いでいます。今回のプロジェクトも弾みとして、グローバル展開をさらに加速していきます。

  • COP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)は、2022年11月にエジプトのシャルム・エル・シェイク(Sharm al-Shaykh)で開催される予定です。

Tags: カーボンニュートラル,エナジートランジション,水素,ボイラー
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