UAE・シャルジャ首長国の天然ガス発電プロジェクト ガスタービンが商業運転を開始　あわせて長期保守契約を締結

三菱重工業は、アラブ首長国連邦（UAE）シャルジャ首長国のレイヤー（Al Layyah）地区において、シャルジャ首長国電力・水庁（SEWA：Sharjah Electricity, Water and Gas Authority）向けに進めている発電所建設プロジェクトで、M701F形ガスタービン2台のシンプルサイクルによる商業運転を迎えました。

このM701F形ガスタービンは、レイヤー発電所拡張のためSEWAが三菱重工とエジプトのエルスウェディ・パワー（ELSEWEDY POWER S.A.E.）によるコンソーシアムに対して発注した、102万6,000kWのガスタービン・コンバインドサイクル（GTCC）のフルターンキー建設プロジェクトの中核機器となるものです。三菱重工は、ガスタービン2台、蒸気タービン1台、発電機3台、排熱回収ボイラー2缶など主要機器を供給。エルスウェディ・パワーがその他の機器調達ならびに現地建設工事を手掛けます。今回の拡張は、最先端の発電ソリューションと設備の導入を通じて、電力供給および造水量を増やすことでシャルジャ首長国の経済発展を支援するものです。

SEWAで会長を務めるサイード・スルタン・アル・スワイディ（Saeed Sultan Al Suwaidi）氏は、次のように述べています。「中東で最も効率が高く先進的なF形ガスタービンが導入されたシャルジャ首長国レイヤーのGTCC発電所で、2台の先進的な三菱重工のガスタービンの運転開始に成功したことを誇りに思います。本プロジェクトは、最高評議会のメンバーでありシャルジャの統治者であるシェイク・スルタン・ビン・ムハンマド・アル・カーシミー（Sheikh Dr. Sultan Bin Mohammed Al-Qassimi）首長が掲げる同首長国の電力需要を満たすビジョンを実現するとともに、SEWAが2030年の目標としている460万kWの電源増強と60%超への発電効率向上という戦略にも沿うものです。工業・商業・住宅開発に遅れをとらないように電力需要を満たすというシャルジャ首長国のビジョン達成に貢献することになります」。

さらに、SEWAのシャルジャ首長国における電力供給の安定化と信頼性・効率性・可用性の向上を支援するため、三菱重工はレイヤー発電所に納入される機器の保守に関する長期保守契約（LTSA）をSEWAと締結しました。

LTSA締結を受けて、アル・スワイディ氏は次のように付言しました。「三菱重工は、SEWAが新たな発電プラントを操業し続けてしていく上で戦略的かつ信頼できるパートナーです。グローバルな専門知識と定評あるエンジニアリング能力を有し、中東全域で長きにわたりサービスを展開してきた同社は、レイヤー発電所プロジェクトにとって理想的なパートナーです。当社はこのほど、長期保守契約に署名できたことを喜ばしく思います。三菱重工のサービス分野での豊富な経験を活かして、我々の発電設備の効率性、信頼性、品質、パフォーマンスを向上させ、最終的にシャルジャ首長国の人々にクリーンな電力と水を提供するために支援してくれることを期待しています」。

三菱パワーで中東・北アフリカ地域担当社長のカリッド・サレム（Khalid Salem）は次のように述べています。「パートナーであるSEWAおよびエルスウェディ・パワーとともにレイヤー発電所建設プロジェクトのシンプルサイクルでの商業運転開始を祝う、UAEのシャルジャ首長国にとって重要な節目を迎えました。シャルジャ首長国の継続的な経済成長に欠かせない本プラントに、高度な技術とサービスを提供できることを光栄に思います。また、レイヤー発電所の長期サービス契約の締結について発表できることも嬉しく思います。この契約は、シャルジャ全域の家庭や企業に安定した電力と水を供給するSEWAを支援するという我々のコミットメントの高まりを反映したものです」。

LTSAを通じて、三菱重工は、リアルタイムの適応制御と実用的な知識を提供するため、インテリジェントソリューションのTOMONI_®を適用します。当社は、中東・北アフリカ地域および世界各地における電力の安定供給と高効率の発電技術の普及を支援し、脱炭素化の推進、経済発展、持続可能性の高いエネルギーシステムの構築に貢献していきます。