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インドネシア各地の発電所で水素・バイオマス・アンモニアとの混焼を共同調査 三菱重工がインドネシアパワーと事業化調査3件でMOUに調印

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◆ タンジュンプリオク発電所の天然ガス焚きガスタービンで水素を混焼、技術・経済性から評価
◆ スララヤ石炭焚き発電所で、バイオマス混焼・専焼ならびにアンモニア燃料化についても検証

調印式の様子

調印式の様子

三菱重工業はこのほど、インドネシア国営電力会社PT. PLN(Persero)(PLN社)のグループ会社であるインドネシアパワー(PT. PLN Indonesia Power)との間で、同社が所有・運営する発電所における低炭素燃料の混焼に関して3件の事業化調査(Feasibility Study:FS)を開始するMOU(覚書:Memorandum of Understanding)に調印しました。これらの調査はインドネシアパワーと三菱重工が共同で実施するもので、インドネシアにおけるエネルギーの脱炭素化を支援します。

1件目の調査は、ジャワ島のタンジュンプリオク(Tanjung Priok)発電所で稼働中のM701F形ガスタービンを対象に、水素混焼の実現可能性を技術・経済性の観点から評価するものです。三菱重工は、PLN社が同発電所内で“Jawa-2プロジェクト”として建設してきた総出力88万kWの天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電施設を2019年に完工しました。

2件目は、インドネシアパワーが保有するジャワ島のスララヤ(Suralaya)石炭焚き発電所において、バイオマス混焼・専焼の実現可能性を技術・経済性の観点から評価します。この調査では、燃料のハンドリング、貯蔵、輸送、既設ボイラーの改造など、バイオマス混焼・専焼の課題を様々な側面から検証します。

3件目は、同じくスララヤ発電所において、インドネシアの既設アンモニア製造プラントで生産されたアンモニアの混焼について評価するものです。アンモニア製造プラントで生産されたアンモニアを輸送して燃料に用いるサプライチェーンを確立するとともに、既設ボイラーで混焼するために必要な技術検討を実施します。

本MOUは、11月1日にPLNグループが主催したイベント“Energy Transition Day”で調印されました。このイベントでは、250名を超える政府や産業界の関係者が参加し、2060年までにCO2排出量を実質ゼロにするインドネシアの目標を達成するための取り組みなどが幅広く議論されました。

三菱重工でアジア・パシフィック総代表兼インド総代表を務める執行役員の大野 修は、次のように述べています。「過去50年以上にわたり、当社は、スララヤ、チレゴン、グラチ各発電所での重要プロジェクトにおいて主要な役割を果たし、インドネシアのエネルギー供給に貢献してきました。今回のMOUは、我々が建設を支援したタンジュンプリオク発電所を含む既存設備の信頼性と効率性を高めるだけでなく、増大する同国のエネルギー需要に応え、かつ環境面の持続可能性目標を達成するために不可欠な革新的解決策を探求するものです」。

インドネシアパワー社長のエドウィン・ヌグラハ・プトラ(Edwin Nugraha Putra)氏は、次のように述べています。「再生可能エネルギーおよび一層クリーンな燃料の導入拡大を可能とし、インドネシアにおける持続可能なエネルギー移行の達成に向けて貢献するため、三菱重工とのパートナーシップを深めることを喜ばしく思います。この新しい協定は、わが国エネルギー部門の継続的な発展と脱炭素化を支援するという我々のコミットメントを強調するものです」。

今回のMOUは、当社とPLNグループが培ってきた強固な協力関係に基づくものです。当社は、1971年に蒸気タービンを初めて納入して以来、PLNグループ向けに、タンジュンプリオク、スララヤ、グラチの各発電所をはじめ、インドネシア各地の発電所向けにソリューションを提供してきました。最近では、本年3月にPLNグループおよびインドネシア国立バンドン工科大学(Bandung Institute of Technology:略称ITB)と共同で、インドネシアの火力発電所におけるバイオマス混焼の採用に関する共同提案書を作成し、その成果を同国政府に提出しました。

三菱重工は、今回のMOUをはじめとする継続的な取り組みを通じて、インドネシアが目標に掲げる2060年の「ネット・ゼロ・エミッション」 の達成に向けて取り組んでいきます。


Tags: インドネシア,水素,アンモニアー,ガスタービン
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