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台湾電力・林口石炭火力発電所でのアンモニア混焼へ覚書に調印 三菱重工が三菱商事および三菱商事マシナリとの関係4社で

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◆ 2025年までのフェーズ1でアンモニア混焼に向けた基礎検討実施、CO2排出量削減につなげる
◆ 台湾のエネルギー政策転換を受けた台湾電力の電源構成目標達成プロジェクトに協力

調印式の様子

調印式の様子

三菱重工業は、台湾公営の台湾電力(台湾電力股份有限公司、Taiwan Power Company:TPC)が運営する林口石炭火力発電所(新北市林口区)でアンモニア混焼の導入に向けた検討を実施することに合意し、11月16日にTPCほか関係者間でMOU(覚書:Memorandum of Understanding)に調印しました。CO2排出量削減に向けた世界的潮流と台湾のエネルギー政策転換を受けたTPCの電源構成目標達成プロジェクトに沿い、石炭消費量削減につなげるのが狙いです。

MOU調印式には、TPCを代表して王耀庭 総経理が出席。当社からはエナジートランジション&パワー事業本部長を務める上席シニアフェローの土師 俊幸が出席しました。同MOUは、当社のほか三菱商事株式会社および同社子会社でインフラEPC(設計・調達・建設)ビジネス等を手掛ける三菱商事マシナリ株式会社が、TPCと調印したものです。林口発電所は、台北中心部の西約20kmに位置し、当社が納入した3系列の超臨界圧石炭焚きボイラー・蒸気タービン発電設備で構成され、総出力は240万kWです。

2025年までのフェーズ1でアンモニア5%混焼の基礎検討を実施する計画で、当社は三菱商事マシナリと、アンモニア混焼に向けたアンモニアバーナーをはじめとする混焼に必要な装置・機器の検討・供給を行います。三菱商事は、クリーン燃料アンモニアの安定供給確保に向けたサプライチェーンの構築について検討します。2026年以降のフェーズ2では、林口発電所の設備1系列を使った実機実証に取り組み、2028~2030年での混焼率5%の実現、以降さらに混焼率20%への引き上げと同発電所にある他系列への展開を目指します。

台湾では、旺盛な電力需要を背景に電力の安定供給が課題となる一方、石炭やガスを燃料とする火力発電設備については環境負荷低減や脱炭素化が強く求められてきました。本年3月には「2050年ネットゼロ排出ロードマップ」が公表され、その中でもゼロカーボンエネルギーシステムを構築するためのエネルギー転換は重要戦略の一つとして掲げられており、石炭とアンモニアの混焼は潜在的な脱炭素技術の一つとして台湾でも大きく期待されています。

当社は、TPCに多くの火力発電設備を納入してきました。また、納入後の安定運転に寄与するアフターサービスなど各種ソリューションの提供を継続して行っており、今回のMOU調印は、こうした実績に裏打ちされた信頼と長期にわたる両社の良好な関係が高く評価されたことによるものです。

TPCの王総経理は次のように期待を表明しました。「今回の覚書を通じて、台湾電力は自社の技術強化および経験の蓄積に加え、実証の過程で得られたデータを三菱重工と三菱商事グループにフィードバックすることで、三菱重工のさらなる技術力向上にも寄与します。本件を皮切りに三菱重工・三菱商事グループとさらなる協調関係を発展させていくことを望みます」。

三菱重工の土師は、次のように述べました。「これまで当社は50年近くにわたり台湾の発電業界の発展に寄与してきました。今回のアンモニア混焼技術に関する我々の共同検討は、台湾と日本の継続的な発展に貢献することができます。三菱重工の持つ革新的な技術と、台湾電力の持つ発電所運営の深い知見を掛け合わせることで、エナジートランジションを強く推進していけると確信しています」。

当社は、今回のMOU調印によるTPCとの連携に加え、IPP(独立電力事業者)を含めた台湾電力業界全体のニーズである低・脱炭素化および性能向上に向けた提案に努めるとともに、台湾電力業界の発展に貢献する今回の実証計画を完遂することに全力を挙げて取り組み、台湾における電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していきます。


Tags: 台湾,火力,アンモニア
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